国際法の理論と実践
担当教官 |
大沼保昭・寺谷広司 |
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科目番号 |
11160 |
学期 |
夏 |
曜日・時限 |
火曜4限 |
単位 |
2 |
内容・進め方・主要文献等 |
法と力の関係をどのように捉えるべきかは古くからの難問である。法は力を規制するものとして期待されているが、他方で、力に裏付けられない法の有効性には疑問がもたれる。両者の対立・依存関係は特に国際法学において重要であり、とりわけ冷戦終焉以降、米国は唯一の「超大国」の地位を誇り、国際法の生成・履行にとって無視できない規制要因となっている。この傾向は2001年の米国での9・11テロ以降、一層明白である。米国の現在の覇権的行動によって国際法秩序は根本的な変容を被っているのだろうか。もしそうであるとすれば、それはどのようにか。翻って、主権国家平等を基本とする従来の国際法・国際法学が、実際に国際関係を規律するために十分に有用であったろうか。そして、これからもそうだろうか。 教材は、上記の関心の下、「国際共同体」「主権平等」「力の行使」「慣習国際法」「条約法」「遵守」という6つの基本分野・観念について検討している。各国・各文化圏の比較的若い研究者による基調論文と、それに対する代表的研究者のコメントから成る論争的な作品である。 本ゼミでは、学期期間を通じて教材の全てを批判的に検討する予定である。また、必要と参加者の希望に応じて、関連する文献を追加することもある。報告者は、報告の2週間前に担当箇所の要約と簡潔なコメント、自らが参照する文献を示す第1レジュメを配布し(A4で5−10頁程度)、1週間前に一層深い批判的考察を記した第2レジュメ(同5−10頁程度)を配布し、報告当日はA4で1頁程度の当日レジュメを配布して約30分間報告する。ゼミ参加者の人数により、報告は1学期間を通して1−3回程度になる。 |
教材等 |
M. Byers and G. Nolte (ed.), United States Hegemony and the Foundations of International Law (Cambridge University Press, 2003, xvii + 531pp.) |
成績評価の方法 |
報告のレジュメの内容と発表(80%)、普段の参加態度(20%) |
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