民事法の基層と現代的課題
担当教官 |
能見 善久・廣瀬 久和・木庭 顕・西川 洋一・大村 敦志・山本 隆司 |
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科目番号 |
11010 |
学期 |
夏 |
曜日・時限 |
月曜3限 |
単位 |
2 |
科目概要 |
既存の法制度を評価し、また新たに法制度を構想する際に必要な、民事法の基本的な考え方および概念を講義する。法学未習者と、学部で民事法を一通り勉強した学生で民事法の全体を広い視野からもう一度理解し直そうとしている者とを、対象にする。 今年度は「団体と法人」にテーマをしぼり、次の3部構成でオムニバス講義を行う。民事法に限定して考察することができないテーマであり、公法の問題も取り上げることになる。 |
前提履修科目 |
なし |
成績評価 |
レポートによる。 |
テキスト |
講義全体に共通の教材は存在しない。 |
参考文献 |
下記参照 |
講義日程 |
I 団体と法人をめぐる現代的課題の概観 4月19日 休講 4月26日 山本 団体と法人について、公法の観点から次のような問題を概観する。(1)国を団体として、また法人として捉えることは法的にどのような意味を持つか? (2)国や地方公共団体の周囲に設立された法人には、どのようなものがあり (「国立大学法人」もその一つである)、法人格を分けること、法人を分類することには、法的にどのような意味があるか? (3)国と私的な団体・法人との関係は、法的にどのように分析されるか? II 団体と法人をめぐる議論の基層 5月10日・17日 木庭 まず西ヨーロッパにおいて団体についての原則的な理解となるものがギリシャ・ローマで生まれる背景とその観念の内容・意義について説明される。次いで、そうした素地のうえに団体を(民事)法的に構成するぎりぎりの試みとしてローマ法の組合がその今日的意義とともに)取り上げられ、さらにこの組合がローマ帝政期に変容する様に少し触れられ、この最後の状況から生まれたテクストが中世以来の西ヨーロッパの議論のパラダイムとなることが点描された後、その最後の段階としてのサヴィニーによる法人概念鋳造の厳密な意義と限界がどこにあるかが探られ、これとその法人概念がその後辿る混乱の軌跡との関係が測定される。 5月24日・31日 西川 24日 中世ヨーロッパ社会における「団体の意義」 6月7日・14日 大村 立法の展開・学説の対応を中心に、フランス法と対比しつつ、日本法における団体論・法人論の特徴について紹介・検討する。 III 団体と法人に関するモノグラフ 6月21日 廣瀬 6月28日 神作裕之(東京大学大学院法学政治学研究科教授) コーポレート・ガバナンス論の現状と課題ー非営利団体のガバナンス論との比較を視野に入れてー 7月5日 藤谷武史(北海道大学大学院法学研究科助教授) 非営利法人・団体の課税問題 |
その他 |