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公物・公共施設法

担当教官

交告 尚史

科目番号

11060

学期

曜日・時限

木曜2限

単位

科目概要

行政活動を遂行するには、土地建物はもとより机やパソコン等種々の物品が必要である。わが国では従来そうした公共サービス提供の物的側面に関わる法を公物法という名称で括り、公物の種類、公物の不融通性、公物の時効取得あるいは公物管理権の性質といった事項を論じてきた。この講義でもまずはそれらの伝統的な論題を解説するが、広く市民の利用に供せられる施設については、物の管理ではなく目的に沿った施設の供用という面を重視する見解が提唱されているので、その趣旨を学ぶことにしたい。さらには、公共施設の整備とサービスの提供を民間に委ねるPFIの手法など現代的な課題にも触れる。

前提履修科目

成績評価

平常点とレポート等による。

テキスト

塩野宏『行政法III[第二版]』(有斐閣、2001年)

参考文献

講義日程

第1回 導入

 公物法の意義(教科書2頁、268〜279頁)

 公共施設法とは?(317〜319頁)

 

第2回 公物法の基礎1 

 公物の要素(280〜282頁)

 公物の種類(282〜287頁)

 

第3回 公物法の基礎2

 公物と取引秩序(287〜290頁)

 公物の成立と消滅(290〜292頁)

 

第4回 討論

 論題:公物と時効取得

  準備;判例百選T[第4版]35事件

     行政法の争点[第3版]192〜193頁

 

第5回 公物管理権1

公物管理権の根拠(293〜296頁)

 公物管理権の主体(296〜297頁)

 

第6回 公物管理権2

 公物管理権の内容(297〜304頁)

 

第7回 討論

 論題:海砂利の採取を巡る諸問題

  準備のヒントは第6回の授業時に示す。

 

第8回 公物の使用関係1

 公共用物の使用関係(304頁〜311頁)

  使用関係の分類(一般使用・許可使用・特許使用)

  使用許可と附款

 

第9回 公物の使用関係2

 公用物の使用関係(311〜315頁)

  目的外使用の許可

 

第10回 討論

 論題:行政財産の目的外使用の許可と申請権

  準備;法学教室288号106〜107頁

 

第11回 公の施設1

 公の施設利用権(171〜173頁)

 

第12回 討論

 論題:指定管理者制度の導入について

  準備;自治体のHPでその自治体の考え方を調べる。調査に赴く。

 

第13回 討論

 PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)を読む。

  準備;小幡純子「公物法とPFIに関する法的考察」小早川光郎・宇賀克也編『塩野

     宏先生古稀記念 行政法の発展と変革 上巻』765頁以下

その他