刑事政策
担当教員
配当学期・曜日・時限
冬学期 木曜 2限
内容・進め方・主要文献等
現在の刑事政策に関わる様々なテーマにつき,その問題状況を把握するとともに,あるべき解決策を探ることを目的とする。授業は,テーマごとに,予め報告者を定め,その報告を基に,それについて授業の出席者全員で討論を行うかたちで進める。
第1回 わが国の犯罪情勢
わが国の最近の犯罪情勢が悪化しているか否かに関し,相異なる見解を対比しつつ,検討を行う。
第2回 死刑
死刑制度の是非及びその代替制度について検討したうえで,現在の判例における死刑の選択基準の分析を行う。
第3回 財産刑
罰金刑及び没収・追徴制度を取り上げて,現在の制度の問題点とその改善策につき,検討を行う。
第4回 司法的処遇
起訴猶予制度及び量刑制度の現状とその改善策につき,諸外国の制度と比較しつつ,検討を行う。
第5回 施設内処遇
自由刑の目的に関する議論を概観したうえで,昨年に成立した「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」の内容について,分析と検討を行う。
第6回 社会内処遇
保護観察を中心とする社会内処遇の内容とその改善策につき,諸外国の制度と比較しつつ,検討を行う。
第7回 保安処分と精神医療
触法精神障害者に対する処遇の在り方につき,心神喪失者等医療観察法の内容を踏まえつつ,検討を行う。
第8回 犯罪被害者の法的地位
刑事手続において犯罪被害者がいかなる法的地位を与えられるべきかにつき,諸外国の制度を踏まえつつ,検討する。
第9回 修復的司法
修復的司法の内容と,わが国への導入可能性につき,検討を行う。
第10回 交通犯罪
交通事件と刑事司法制度との関係の在り方につき,犯罪化と非犯罪化の双方の観点から,検討を行う。
第11回 薬物犯罪
薬物の自己使用を中心に,薬物犯罪に対する刑罰の在り方及びその代替策について,検討を加える。
第12回 事故調査と刑事司法制度
様々な事故が発生した場合の,原因究明と刑事責任の追及との調和をいかに図るべきかにつき,検討を加える。
教材等
各回のテーマごとに,それに関係するわが国及び諸外国の法制度や判例を内容とする参考資料を事前に配布ないし指定する。
成績評価の方法
筆記試験及び平常点による。