地域政治B(現代朝鮮半島の政治)

担当教員

木宮 正史

配当学期・曜日・時限

夏学期 月曜 2限

内容・進め方・主要文献等

(1)朝鮮半島をとりまく地政学的条件(2)グローバルな冷戦と朝鮮半島における冷戦との相互力学とその変容(3)開発体制下における輸出志向型工業化の「選択」と経済のグローバル化への対応とその帰結(4)権威主義体制の持続と民主主義への移行そして「堅固化」という4つの視点から、韓国を中心に(北朝鮮を補足的に)、朝鮮半島を取り巻く政治経済外交のダイナミズムを、冷戦型開発独裁から脱冷戦型市場民主主義への移行として理解し、それがどのような政治力学を内包して展開されたのかを解明する。

1.イントロダクションおよび朝鮮半島政治の現在
2.朝鮮半島冷戦の起源:朝鮮戦争を中心に 
3.朝鮮戦争研究の進展をめぐって
4.前史としての1950年代:李承晩と金日成 
5.朴正熙政権の成立と第3共和国:北朝鮮との体制競争の本格化 
6.韓国の経済発展の政治力学 
7.韓国政治・北朝鮮政治の中の日韓・日朝関係 
8.アジア冷戦の激化・緩和と南北朝鮮(60年代〜70年代初頭) 
9.維新体制の成立と展開をめぐる政治過程とその理論的含意 
10.アジア冷戦の変容から新冷戦へ:米韓関係の変容と復元
11.権威主義体制から民主主義への移行:その挫折と成功 
12.グローバル冷戦の終焉と朝鮮半島冷戦:米朝核危機
13. 比較の中の朝鮮半島政治 

各回の授業で配布したレジュメを中心として、関連各国のビデオや外交文書、南北朝鮮の法律文書などを活用して、いろいろな方法で理解を深められるようにする。また、授業の内容と関連した簡単なレポートを何回か提出してもらい、そのレポートに基づいて、授業に対する理解を深める。

教材等

開講前に読んでおくべきもの:木宮正史『韓国 民主化と経済発展のダイナミズム』ちくま新書。授業の進行に合わせて読むべきもの:韓培浩(ハンベホ)(木宮正史・磯崎典世訳)『韓国政治のダイナミズム』法政大学出版局。その他の詳細な参考文献に関しては、開講時に指示する。

成績評価の方法

筆記試験と提出レポートを加味して、成績評価を行う。

関連項目