金融商品取引法
担当教員
配当学期・曜日・時限
夏学期 火曜 2限
内容・進め方・主要文献等
我が国資本市場法制の中核的な法律である金融商品取引法の全体像を理解できるようにする入門的な講義とする。最初は金融の機能や証券取引の仕組みなどの説明から行う。その後、金融商品取引法（及びその関連法）の説明を行うが、条文が難解な法律であるので、第１に法律の考え方や各規定の趣旨を十分に踏まえ、第２に現実に生起した判例や事例などを参照し、第３に規制当局などによる実務上の取扱いを説明することとする。授業の進行は概ね以下のとおりである。
①序論（１）（金融の機能、市場の機能や証券取引の仕組みなど）
②序論（２）（金融関係法の概要、金融商品取引法の位置づけや考え方・目的・体系・経緯）
③金融商品取引法の適用範囲（有価証券やデリバティブ取引など）
④集団投資スキーム（運用型・流動型）の規制（投資信託・投資法人など）
⑤情報開示規制（１）（発行開示・継続開示）
⑥情報開示規制（２）（会計・監査・内部統制）
⑦公開買付制度と大量保有報告制度
⑧金融商品取引業者等の業規制（１）（金融商品取引業の定義や業務範囲規制など）
⑨金融商品取引業者等の業規制（２）（広告等規制、説明義務や適合性原則など）
⑩金融商品取引業者等の行為規制（３）（弊害防止措置や特定投資家制度など）
⑪金融商品取引業協会と金融商品取引所（自主規制機関としての機能など）
⑫不公正取引規制（１）（不正行為、風説流布・偽計や相場操縦）
⑬不公正取引規制（２）（インサイダー取引規制）
⑭エンフォースメント（課徴金制度や証券取引等監視委員会など）
なお、2008年度「金融商品取引法」を単位取得済みの学生の履修は認めない。
教材等
必要な教材（レジュメ・資料等）は、適宜配布する。金融商品取引法全条文が掲載されている六法を持参すること。
教科書・判例集として、黒沼悦郎「金融商品取引法入門〈第3版〉」（日経文庫、2009）または川村正幸編「金融商品取引法」（中央経済社、2008）、神田秀樹＝神作裕之＝大崎貞和＝松尾直彦「金商法実務ケースブック Ⅰ 判例編 Ⅱ 行政編」（商事法務、2008）。
【参考書】
川口恭弘「現代の金融機関と法[第２版]」（中央経済社、2007）。
成績評価の方法
筆記試験による。