安全保障概念の再検討

担当教員

藤原 帰一

配当学期・曜日・時限

夏学期  月曜5限

内容・進め方・主要文献等

安全保障に関わる議論のうち、冷戦期、あるいはそれ以前から引き継がれてきた概念の多くはいま大きく見直されようとしている。一方ではテロをはじめとする非伝統的脅威が台頭するとともに他方ではアイデンティティーを争点とし、また権力真空によって加速されるような「新しい戦争」も無視できない。この状況を前にして、ウィーバー等によるセキュリタイゼーション論が展開されるとともに、安全保障の対象の選択をより内在的に捉える「リスク社会」論も国際関係の分析に影響を与え始めている。
この演習では、上記のような安全保障概念を再構築する試みを学ぶとともに、伝統的な国際紛争研究のどこが、そしてどのように再検討されるべきなのかを考察する。文献としては他に地球温暖化と国際紛争に関してキャンベル、テロと治安についてデビッド・レーニー、そしてアメリカ新政権にも影響を与えたプリンストン・レポートなどを用いル予定である。最後に参加者に独自の論文作成を求め、9月に開催する合宿において論文提出と報告を求める。なお、強制では泣くが、参加者は、7月上旬に東京大学を会場として準備されている安全保障再検討ワークショップの準備に加わることを求められる可能性がある。
なお、希望者全員を認めるのではなく、公共政策学教育部ならびに総合法政専攻修士課程から参加する人数は合計5名以下とする。参加希望者は、4月10日(金曜)午後1時までに、「新しい戦争の分析に当たって新たな安全保障概念が必要か否か、またなぜそう考えるか」について、2000字以内の文章を、kkfujiw@j.u-tokyo.ac.jpまで送付すること。参加を認めた者には当方から連絡する。なお、自分の名前・学年を記すのを忘れないこと。

教材等

Barry Buzan, Ole Waever, Jaap de Wilde, Security: A New Framework For Analysis ほか
(実費購入ならびに配布)

成績評価の方法

 

関連項目