公共経営のための会計学

担当教員

大日方 隆

配当学期・曜日・時限

夏学期  木曜 5 限

内容・進め方・主要文献等

近時,政府・地方公共団体・非営利組織体(NPO)などにも,営利企業を対象に発展してきた企業会計の考え方を取り入れた会計制度を構築しようという動きが盛んになっている。その背景には,従来の現金出納を中心とした財政管理では不十分であるという問題意識がある。企業会計では資本と利潤を計算するが,それを純財産と余剰に置き換えれば,たいていの主体について企業会計の考え方を適用することができる。この講義では,
@ 現金出納と企業会計では,どこがどのように異なり,
A 企業会計には,どのような優れた点があるのか,
B 一般に,会計や財務報告の限界はどこにあるのか,
を説明する。
 この講義では,会計学を学習したことのない初心者にたいして,基本的な知識が習得できるようにする。多様な組織や主体が,応用あるいは派生形としての会計制度を利用しているが,それらを網羅するのは非生産的であり,基本を理解したほうが,はるかに効果的である。
 必ずしも体系的ではないが,会計と政府規制・産業政策との関係を重視する。たとえば,政府調達や公共料金規制と会計との関係などについて,適宜,論点を掘り下げて,高度な問題も扱う予定である。
 講義では,スライドとプリントを使用する。

教材等

テキストとして,桜井久勝・須田一幸『財務会計・入門』(有斐閣)を指定する。より進んだ勉強のための参考書として,桜井久勝『財務会計講義』(中央経済社)を推薦する。

成績評価の方法

中間テストおよび期末テストの合計点で評価する。

関連項目