不動産証券化概論

担当教員

吉田二郎内藤伸浩毛利信二

配当学期・曜日・時限

夏学期  水曜4限

内容・進め方・主要文献等

不動産証券化は、国富の中で最大の比重を占める金融資産と不動産とを結び付けることによって、国民経済の自律的循環的な発展を促進する機能を担う。また不動産投資にかかる情報の非対称性を縮減して、個人や海外からの投資を容易にするものである。さらに、市場機能と市場規律を生かしながら、資金と不動産の効果的かつ効率的利用を図るものでもあり、財政逼迫状況の下、今後の都市政策や地域政策、住宅政策等を展開する上で重要な手法である。特に土地神話の崩壊後、リスク資産として認識されるようなった不動産について、そのリスクを分散しコントロールしながら、適切なリスクの担い手のもとに移すことで、社会経済が必要とする都市・地域開発を実現する手段である。

本科目では、間接金融中心から直接金融あるいは市場型間接金融へと方向転換した日本の金融システムにおいて、より大きな地位を占め、国民経済にも大きな影響を及ぼすようになった不動産証券化の全体像を俯瞰し、米国サブプライムローン問題の教訓もふまえつつ、もって不動産や金融に関する法制度の立案や経済政策の形成・実施に資するための基本的な知識習得を目的とする 。

<授業方式>一般講義形式(一部テーマについては実務家講師を招聘)
<参考文献>
不動産証券化協会『不動産証券化ハンドブック 2008-2009 』不動産証券化協会, 2008 年
柳川範之『これからの金融がわかる本』東洋経済新報社, 2007 年
江川由紀夫『サブプライム問題の教訓』商事法務, 2007 年
内藤伸浩 「新・不動産証券化入門」不動産証券化協会( ARES Vol.13 〜 15 ), 2006 年
内藤伸浩『アセット・ファイナンス』ダイヤモンド社 ,2003 年

教材等

適宜資料を配布

成績評価の方法

試験,授業参加,レポート

関連項目