転換期のWTO

担当教員

中川 淳司

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 冬学期

授業の目標・概要

WTOは設立以来、モノ・サービスの貿易の拡大や国際通商紛争の解決で大きな成果を挙げてきた。しかし、ドーハ交渉は開始から10年を経ても妥結の目処が立たず、貿易自由化フォーラムとしてのWTOの役割低下が目立つ。ドーハ交渉はなぜ行き詰まったのか?WTOではなくFTAを通じて貿易自由化を進めるしかないのか?この演習では、WTOのこれまでの歩みを振り返り、主な活動領域(貿易自由化、紛争解決、国際通商ルールの策定、加盟国の通商政策の評価、途上国支援)に即して、WTOの活動の成果と現状を確認したうえで、WTOの今後の可能性と限界、そして限界を打開するための方策を考察する。

授業のキーワード

世界貿易機関(WTO),ドーハ交渉,WTO紛争解決手続,自由貿易協定

授業計画

新書『転換期のWTO』は全8章~10章で構成される予定である。導入講義に引き続いて、各回1章ずつ原稿を読み進める。読み終わった後、とくに掘り下げる必要があるテーマ(21世紀の通商交渉における多国間主義と地域主義の調整、WTOにおける意思決定方式の見直しなど)について2回から3回程度検討し、演習を締めくくる。

授業の方法

最初の導入講義を除いて、毎回担当者を決めて30分程度の報告を割り当てる。報告者は前日夜までに演習参加者全員に報告の詳細なレジュメを送付しなければならない。演習の当日は、担当者の報告に引き続いて、報告で提起された複数の論点について、オープンフロアで討議する。

成績評価方法

割り当てられた報告(レジュメおよび口頭発表)と、オープンフロアでの討議への積極的な参加、出席点を総合して評価する。試験やレポートの提出は求めない。

教科書

中川淳司『転換期のWTO』(岩波新書、2012年末に刊行予定)

参考書

関連する二次文献や一次資料はその都度指定する。

履修上の注意

報告は日本語でも英語でもよい。就職活動その他の理由でやむを得ず欠席する場合は、必ず前日までにそのことを担当教員に連絡すること。事前の連絡なしに欠席した場合は、成績評価にマイナスに影響する。

関連項目

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