地域政治B(現代アフリカの政治)

担当教員

遠藤 貢

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

国際社会の中において、(主に独立後の)アフリカ諸国が抱えてきた諸問題を俯瞰するための多角的な視点を提供する講義等を行う。アフリカ諸国の国家や政治体制、政治変動の特徴、政治経済の論理と援助の潮流、国際関係における位置の変容、あるいはグローバル化との関わり、多発する紛争と「紛争後」の諸課題などの問題を検討する。また、これらの作業を通じて比較政治学、ならびに国際政治学の理論に提起されてくる諸問題について考察を加えるほか、政策的課題についても検討を加える。授業では、講義のほかに、より立体的な理解を深めるために、アフリカに関する様々なビデオ鑑賞を行って感想レポートの提出を求める。

授業のキーワード

アフリカ,国家,政治体制,民主化,権威主義,市民社会,植民地,公共領域,汚職,新家産主義,政治経済,援助,構造調整,資源外交,冷戦,主権,崩壊国家,破綻国家,ジェノサイド,国家建設,移行期正義,国際刑事裁判所,選挙,国連,アメリカ,中国,海賊,安全保障,暴力の文化

授業計画

1 歴史の中のアフリカ
2 アフリカにおける国家像
3 アフリカの政治体制 
4 アフリカにおける政治変動
5 アフリカにおける「市民社会」
6 経済危機に至るアフリカの政治経済
7 構造調整後のアフリカ経済
8 資源大陸アフリカの動態
9 冷戦期国際政治とアフリカ
10 冷戦後世界のアフリカ
11 アフリカにおける紛争の系譜
12 「紛争後」アフリカの諸課題
13 アフリカにおける政治と人間像
14 事例研究:南アフリカの政治とその動態
15 事例研究:ソマリア「紛争」と国際安全保障

授業の方法

講義による。

成績評価方法

試験(80%)、感想レポート(20%)。

教科書

授業と最も関連する文献一覧(準教科書として授業の理解の上で強く参照を薦める文献)
①遠藤貢「アフリカ『政治』の深層論理:二つの公共領域論を手がかりにして」飯塚繁太郎他編『政治理論と公共政策』新評論、1998年、91~105ページ。
②遠藤貢「民主主義をもたらさない『民主化』?:1990年代以降のアフリカにおける政治変動とその評価をめぐって」恒川惠市編『民主主義アイデンティティ-:新興デモクラシーの形成』早稲田大学出版会、2006年、51~72ページ。
③峯陽一『現代アフリカと開発経済学』第3章
④高橋基樹・正木馨「構造調整」北川勝彦・高橋基樹編『アフリカ経済論』ミネルヴァ書房、2005年、95~116ページ。
⑤武内進一「アフリカの紛争:その今日的特質について」武内進一編『現代アフリカの紛争』アジア経済研究所、2000年、3~54ページ。
⑥武内進一「アフリカの紛争と国際社会」武内進一編戦争と平和の間:紛争勃発後のアフリカと国際社会』アジア経済研究所、2008年、3~56ページ。
⑦遠藤貢「アフリカからみた世界システム」『国際問題』533号、2004年、2~18ページ。
⑧遠藤貢「アフリカと国際政治-国家変容とそのフロンティア-」国分・酒井・遠藤編『日本の国際政治3 地域からみた国際政治』2009年, 157~174ページ。

参考書

詳細に関しては開講時に指示する。

履修上の注意

大きな変貌を遂げつつある現代アフリカの問題を主体的に考えようとする姿勢のある学生の受講を期待する。

関連項目

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