医療技術評価

担当教員

鎌江 伊三夫

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

・近年、欧米を中心に興隆した医療技術評価の入門と、その科学的基礎をなす政策決定科学の基本を講義
・政府による2014年のHTA一部導入の示唆を受け、具体的な方法論と課題を解説
・学生はVBP(Value-based Healthcare;価値に基づく医療)の基本概念と手法を学ぶとともに、医療イノベーション評価の科学的アプローチについて理解を深める。

授業のキーワード

医療技術,薬物治療,アウトカム評価,費用対効果分析,経済評価,価値,価値に基づく医療,根拠に基づく医療,臨床疫学・アウトカム研究,医薬経済学,意思決定,決定分析,医療制度,医療制度改革,オバマ政権,米国医療改革,米国PCORI,英国NICE,韓国HIRA,薬価算定,新薬価制度,ISPOR,2014年度厚生労働省HTA導入

授業計画

第1回 はじめに:背景となる医療制度と医療の価値
第2回 評価の科学的基礎(I):統計学的推論
第3回 評価の科学的基礎(II):ベイズ統計学と決定理論
第4回 評価の科学的基礎(III):医薬経済学
第5回 評価の基本と実例(I):分析のデザインと批判的吟味法
第6回 評価の基本と実例(II):効果と費用の算定
第7回 評価の基本と実例(III):増分分析とイノベーション評価
第8回 評価の基本と実例 (IV):不確実性への対応
第9回 評価の基本と実例(V):財政へのインパクト
第10回 医療技術評価ガイドライン:海外と日本の実例
第11回 医療技術評価の政策導入(I):新薬価制度と医療イノベーション
第12回 医療技術評価の政策導入(II):VBP(価値に基づく薬価算定)
第13回 医療技術評価の政策導入(III):今後の課題

授業の方法

講義による。

成績評価方法

試験(70%)、授業内小テスト(20%)、および出席(10%)。

教科書

特に使用せず。

参考書

1)Michael F. Drummond 他「Methods for the Economic Evaluation of Health Care Programmes –Third Edition」(Oxford University Press),
2)鎌江伊三夫監訳2「ヘルスケアサイエンスのための医薬経済学用語集 ISPOR BOOK OF TERM」(日本製薬工業協会(製薬協)/オンラインショップ(医薬出版センター))
3)その他、開講時に紹介する。

履修上の注意

医療技術評価の根幹にある「価値に基づくアプローチ」は、21世紀の医療政策のコア概念である。受講には特に医療技術評価の予備知識を必要としないが、これから入門する人、あるいは入門的知識をもう少し深めて、国際標準で医療技術評価を活用した公共政策に携わろうとする行政志望者や国際医療ビジネスをめざす人に適している。

関連項目

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