社会保障政策

担当教員

永瀬 伸子

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

本講義の目的は、日本の社会保障政策を批判的に検討することである。失業、年金、医療、介護、子育て等をめぐる政策メニューは、各国で一見類似に見えるが、特徴には大きい差がある。当該社会の歴史の反映でもあるが、時代とともに社会的保護の課題も異なり、変化が求められる。本講義は、年金制度、子育て期の社会保障、雇用ルールの順に扱う。うち特に年金と子育て期の社会保障に重点を置く。制度の概観、データ源、諸外国との比較など、個別の制度を検討するとともに、人口構造変化を踏まえて、社会保障政策の今後の選択肢を受講者とともに考える。

授業のキーワード

社会保障,年金制度,雇用ルール,疑似市場,child care, engendering welfare state

授業計画

(1) 年金制度
年金制度(海外との比較)/年金給付の分布/女性と年金/財政状況/実証研究
(2) 子育て期の社会保障
子育て期に対する社会保障/施設ケア/育児休業制度/税制/児童手当/少子化/疑似市場の問題/海外との比較、実証研究
(3) 雇用ルール
失業保険/解雇法制/日本的雇用慣行と非正規雇用/実証研究/海外との比較

授業の方法

初回は授業スケジュールと意図と課題について説明し、導入の講義をします。2回目以降は、各回について配布論文を読んできてもらうとともに、課題について、報告者2名に7分づつ報告してもらいます。全体で15分ほど討論を行い、報告者による問題整理をしてもらいます。その上で教員が次回につなげる講義をします。レポート提出が課されます。

成績評価方法

レポート(40%)、発表(20%)、議論への参加(30%)、出席カードへのコメント(10%)

教科書

各回に資料や論文を配付します。英語論文も一部含まれます。

参考書

椋野美智子・田中耕太朗「はじめての社会保障」最新版 社会保障制度は度々かわりますが、アップデートされていますので参考にしてください。
堀勝洋「社会保障読本 第3版」2004年  入門書として参考にしてください
「先進諸国の社会保障」1から7 東京大学出版会 2000年 やや古いですが各国の制度が概観できます

履修上の注意

出席者はテキスト、課題を読み込み、報告、議論、整理の準備をしてください。またレポートが課されます。

関連項目

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