競争政策と法

担当教員

白石 忠志

単位数 / 使用言語 / 配当学期

4単位 / 日本語 / 冬学期

授業の目標・概要

 競争法の基本的な枠組みと現代的な課題を理解する。現代経済は競争をひとつの大きな軸としているので、競争制限行為を抑制し競争を促進しようとする競争法は、法律実務のみならず、多くの分野の政策立案やビジネスにおいて知っておくべき前提となる。また、根源的には、競争の効用と限界、という問題などを考える糸口ともなる。
 競争法(competition law)は、日本では独禁法と呼ばれるものの普通名称であり、その基本的な考え方は、米国法やEU法をはじめとする世界各国の法において共通している。そこで、この授業では、米国法・EU法を代表者とする世界共通の競争法体系を知ることを最終目標とし、それへの足がかりとして、学生・教師にとって最も効率的に学びやすく論じやすい日本の競争法(独禁法)を主な素材とする、という姿勢をとる。そのなかで自然に英語表現にも触れていけるよう工夫し、授業終了時には英語の基本的な競争法資料(現代的課題を論じた実務的で簡単なもの)を内容理解を伴って読める段階にまで至る。

授業のキーワード

独禁法,競争法,経済法

授業計画

 計画は柔軟に変更するが、概ね次のように進める予定である。

▼導入・・・・・・・・・・・・・・1回
▼違反要件総論(簡易版)・・・・・1回程度
▼競争停止行為(水平的合意)・・・2回程度
▼競争停止行為(垂直的合意)・・・1回程度
▼排除行為・・・・・・・・・・・・3回程度
▼搾取行為・・・・・・・・・・・・2回程度
▼企業結合規制・・・・・・・・・・3回程度
▼違反要件総論(詳細版)・・・・・2回程度
▼国際事件・・・・・・・・・・・・1回程度
▼競争当局による事件処理・・・・・2回程度
▼刑罰・民事裁判・・・・・・・・・2回程度
▼受講者による英語資料の紹介・・・人数に応じ必要な回数

授業の方法

 「授業の目標・概要」のとおり。
 学期中のいずれかの時期に、受講者1人1人に基本的英語資料(米国やEUの競争当局のプレスリリースや競争当局責任者のスピーチなど現代的課題を論じた実務的で簡単なもの)を割り当てて内容を皆に紹介してもらう予定。学期の終盤を考えているが、中盤等にも少しずつ実施するかもしれない。
 競争法は細かな条文などが登場しないので、英語資料でもかなりの学生がそれなりに理解できるようになる。臆せず挑戦する学生は例外なく歓迎するので、気軽に参加していただきたい。

成績評価方法

 期末試験50点満点、平常点50点満点、の予定。平常点は、当該学生による英語資料紹介や他の学生の紹介に対する質疑などをもとに、甘めに評価する。

教科書

 白石忠志『独禁法講義〔第6版〕』(有斐閣、平成24年)
 その他、ネット等で入手できる資料を各自持参するよう求める場合がある。

参考書

 教室で紹介する。

履修上の注意

 「期末試験50点満点、平常点50点満点」の予定であるから、期末試験だけでは単位は得られない。

その他

 特になし。

関連項目

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