法医学

担当教員

吉田 謙一

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 冬学期

授業の目標・概要

法医学は異状死の死因を公正に決定し、死に関する責任関係を明らかにし、関係者の人権を守る学問である。異状死は、殺人・事故死・自殺・災害死、虐待による死、死因不詳の死、予期できない死、突然死、死亡状況が異常・不詳の死を含む。また、診療関連死(医療事故)の取り扱いが医療界・社会の関心・議論を呼んでおり、制度の改革が求められている。異状死の死因等は検案・解剖等により決定されるが、その過程には問題が多く、制度の改革が喫緊の課題となっている。 さらに、裁判等においては、法医・医療関係者と法律家の因果関係や死因に関する捉え方の違いが、判断に深刻な解離をもたらしている他、司法解剖の情報開示が制限され、関係者にとって深刻な影響を与えている。これらの課題を、症例・判例・法を引用しながら、解説し、理解していただくことを目標とする。また、疾病、損傷の発症と死に至るメカニズムに関する理解を深めたい。さらに、諸外国の制度との比較を通じて、死因究明や事故調査のあり方を考えたい。

授業のキーワード

法医学,医事法,異状死,突然死,死因究明

授業計画

①異状死と死因究明制度。②死因論。③内因性急死・突然死。④労災と過労死。⑤頭部外傷と脳出血。⑥胸腹部 損傷と骨盤・脊髄損傷。⑦交通事故・賠償医学。⑧窒息。⑨胎児・新生児・出産をめぐる諸問題と児童虐待。⑩異常環境。⑪中毒。⑫医事法と医療紛争。⑬診療関連死と死因究明制度。

授業の方法

問題となりやすい異状死を自験例や判例等につき類型化し、法を引用しながら、テキストとプレゼンを用いて具体的に説明する。今年は、できる限り、質疑を通じたinteractiveな講義を試みてみたい。

成績評価方法

筆記試験。

教科書

吉田謙一著「事例に学ぶ法医学・医事法」改訂第三版有斐閣(2010年)(必須)

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