国際経済法と「開発」を考える
担当教員
単位数 / 使用言語 / 配当学期
2単位 / 日本語 / 冬学期
授業の目標・概要
国際経済法は途上国の開発のためにいかなる役割を担うか。それはいかなる態様でか。また、その限界は何か。国際経済法と「開発」をめぐるこれらの問題を解明することは、国際経済法学と国際経済法の実務にとって依然として重要な課題である。この課題に対する取り組みの一環として、本年の演習では、WTO法における「開発」の位置付けを検討する。具体的には、WTO協定における「特別かつ異なる(Special and Differential, S&D) 待遇」の意義と法的性格をめぐる理論的な検討を行う。
授業のキーワード
国際経済法,南北問題,WTO協定,特別かつ異なる(S&D)待遇
授業計画
WTO協定における特別かつ異なる(S&D)待遇の位置付けをめぐって最近刊行された2つの重要な文献を取り上げて講読する。それをたたき台として議論することを通じて、WTO法における開発の位置付けに関する理解を深める。
授業の方法
最初の導入講義を除いて、毎回担当者を決めて20分程度の報告を割り当てる。報告者は、前日夜までに割り当てられた文献の概要とそれについてのコメントをレジュメにまとめ、演習参加者全員に送付しなければならない。演習の当日は、担当者の報告に引き続いて、報告で提起された複数の論点について、オープンフロアで討議する。
成績評価方法
割り当てられた報告(レジュメおよび口頭発表)と、オープンフロアでの討議への積極的な参加、出席点を総合して評価する。試験やレポートの提出は求めない。
教科書
Chantal Thomas and Joel P. Trachtman eds., Developing Countries in the WTO Legal System, Oxford University Press, 2009.
Sonia E. Rolland, Development at the WTO, Oxford University Press, 2012.
参考書
ロバート・E・ヒュデック著、小森光夫他訳『ガットと途上国』信山社、1994年
柳赫秀「WTOと途上国‐途上国の『体制内化』の意義と限界」『貿易と関税』1998年7月号、10月号、2000年7月号、9月号。
履修上の注意
報告は日本語でも英語でもよい。就職活動その他の理由でやむを得ず欠席する場合は、必ず前日までにそのことを担当教員に連絡すること。事前の連絡なしに欠席した場合は、成績評価にマイナスに影響する。