国際法実務演習

担当教員

山上 信吾

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

(概要)外務省生活30年にわたる現役外交官による演習。実務の世界で日本の外交官が直面している具体的問題を取り上げ、国際法・国際政治の両面から掘り下げる。特に、日本の政策や日本のあり方に対する批判を検証し、それらに対する効果的な反論・対応を探求する。
(目標)1.国際社会で日本が直面している国際法上、政治上の具体的な問題についての理解を深める。
2.演習での発表、議論を通じて、個々の学生のプレゼンテーション能力の伸長を図る。ひいては、国際社会での一対一の論戦に強い日本人を育てる。

授業のキーワード

日本の外交政策,外交官,国際社会,対日批判,反論,領土問題,歴史認識問題,安全保障問題,経済外交

授業計画

(1)まず、総論として、「日本人と国際社会の関わり」を考え、本演習を実施するに当たっての問題意識の共有を図る。
(2)我が国の領土に関わる論点を集中的にとりあげ、「固有の領土」「尖閣諸島」等について議論する。
(3)歴史認識問題を集中的に取り上げ、「戦後処理における日独比較」「靖国神社参拝」「いわゆる従軍慰安婦問題」等について論じる。
(4)安全保障問題を集中的に取り上げ、「集団的自衛権」「日米安保、地位協定」等について議論する。
(5)経済外交を集中的に取り上げ、「WTOとEPA」等について議論する。

授業の方法

(1)初回の授業では、「日本人と国際社会の関わり」を論じ、演習を始めるに当たっての問題意識の共有を図るとともに、演習の進め方についての説明・試行を行う。
(2)第二回目以降の演習のやり方は、以下のとおり。
(ア)毎回の演習の発表者を事前に2名指定する。指定された2名は、議論する題材に関して、「日本批判者」と「日本擁護者」に分かれ、冒頭5分ずつプレゼンテーションを行う。その後、2分ずつ相手方議論への批判、再反論の機会を与える。
(イ)発表者以外の学生が、プレゼンテーションについての講評を行う。
(ウ)プレゼンテーションで取り上げられた主要論点について、教員と学生との間で掘り下げた考察を行うとともに、日本の外交官としての効果的な反論の仕方を探求する。

成績評価方法

個人発表(30%)、演習参加・議論への貢献(40%)、期末レポート(30%)

教科書

特になし。

参考書

村田良平著「村田良平回想録」(上・下)(特に下巻)〔ミネルバ書房〕
岡崎久彦著「陸奥宗光とその時代」「小村寿太郎とその時代」「幣原喜重郎とその時代」「重光・東郷とその時代」「吉田茂とその時代」(いずれもPHP文庫)

履修上の注意

・授業・議論への積極的な参加と関連文献への取り組みを期待しています。
・国際法の予備知識があった方が望ましいですが、国際法未受講者の受講も歓迎します。
・日本人として外国人とつきあう、国際社会に出るに当たって必ず直面する問題、批判への対応を念頭に置いています。したがって、外交官志望者にとどまらず、法曹志望者、経済界志望者、マスコミ志望者等、広範な層の参加を期待しています。
・実務の世界の空気に触れてみたい学生、「1対1の戦い」に強くなりたい学生を大いに歓迎します。

関連項目

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