医療コミュニケーション学

担当教員

木内 貴弘 / 石川 ひろの

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

本講義の目的は、医療コミュニケーションの理論と実践方法を体系的に学習することにある。
医療コミュニケーションとは、医療従事者相互、医療従事者と患者間、患者相互等における医学・医療分野に関係した知識や情報のやりとりを意味する。医療コミュニケーションは、医学・医療と社会のインターフェイスとして、パブリックヘルス分野において、非常に重要な意味を持っている。従来、ヒト対ヒトのいわゆるヒューマンコミュニケーションを主体に考えられてきたが、現在では、これに加えて、インターネット、マスメディア、コンピュータ・ゲーム機等を介したコミュニケーションの意義・役割が増大している。
本講義では、個人あるいは社会としての最適な健康上のアウトカムを得るために、医学・医療に関する知識・情報を、正確かつ効果的に伝達し、受け手に理解してもらうために必要な、(1)コミュニケーションの理論体系、(2)コミュニケーションの実務的方法論、(3)コミュニケーションの評価・分析方法等を取り扱うともに、医療コミュニケーションの具体的な実践例の紹介と分析も行う(具体的な内容は下記の「授業計画及び内容」を参照のこと)。本講義の受講によって、医療コミュニケーションを実践し、改善していくために必要な基礎的な知識を得ることができる。

授業計画

4月9日(火)
13:00-14:30 Ⅰ.医療コミュニケーション学総論
医療コミュニケーション学とは 木内貴弘
4月9日(火)
14:50-16:20 Ⅱ.対人コミュニケーション
カウンセリング入門 久田満
(上智大学)
4月16日(火)
13:00-14:30 Ⅰ.医療コミュニケーション学総論
ソーシャルマーケティング 木内貴弘
4月16日(火)
14:50-16:20 Ⅱ.対人コミュニケーション
患者-医療者コミュニケーション
(2) 医療機関の立場から 北村聖
(東京大学・医学教育国際協力研究センター)
4月23日(火)
13:00-14:30
14:50-16:20 Ⅱ.対人コミュニケーション
患者-医療者間コミュニケーション
(1) 医療者のための実践的コミュニケーションスキル 石川雄一
(日本ヘルス
サイエンス
センター)
4月30日(火)
13:00-14:30 Ⅲ.メディアコミュニケーション
エンターテインメント・エデュケーション 石川ひろの
4月30日(火)
14:50-16:20 Ⅲ.メディアコミュニケーション
インターネット 木内貴弘

5月7日(火)
13:00-14:30
14:50-16:20 Ⅱ.対人コミュニケーション
患者-医療者間コミュニケーション
(3) 患者の立場から 山口育子
(COML)
5月14日(火)
13:00-14:30 Ⅲ.メディアコミュニケーション
マスメディアによるコミュニケーション
(1) 新聞 阿部文彦
(読売新聞)
5月14日(火)
14:50-16:20 Ⅲ.メディアコミュニケーション
マスメディアによるコミュニケーション
(2) テレビ 真崎理香
(NHK)
5月21日(火)
13:00-14:30 Ⅲ.メディアコミュニケーション
健康キャンペーン 狩野雄司
(ACジャパン)
5月21日(火)
14:50-16:20 Ⅰ.医療コミュニケーション学総論
医療コミュニケーションの評価と実証研究 石川ひろの
5月28日(火)
13:00-14:30 試験

授業の方法

・ 各回原則1テーマの講義を行う(2回で1テーマの講義もある)。
・ テーマに基づいた追加資料の配布や実例の紹介を行うことがある。

成績評価方法

講義への出席(30%)、試験(70%)による。

教科書

・ Athena du Pre. Communicating About Health: Current Issues and Perspectives. Oxford University Press. 2009
・ Teresa L. Thompson, Alicia Dorsey, Katherine Miller, Roxanne Parrott (Editor) Handbook of Health Communication, Lawrence Erbaum, 2003
・ ピーター・G. ノートハウス、ローレル・L. ノートハウス (著)、萩原明人 (訳). ヘルス・コミュニケーション―これからの医療者の必須技術.九州大学出版会.2010
・ 藤崎和彦、橋本英樹 (著)、 医療コミュニケーション研究会 (編).医療コミュニケーション―実証研究への多面的アプローチ.篠原出版新社.2010

その他

 医療コミュニケーション学は、公衆衛生学・医学・医療のあらゆる分野と関係しているが、健康社会学、健康教育学、健康増進科学、医療安全管理学との関係が深い。

関連項目

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