経済と安全保障の交錯

担当教員

藤原 帰一

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

国境を越えた経済活動の拡大は、安全保障に関わる政策選択をどのように変えるだろうか。これまで、リベラリズムの立場からは相互依存の進展による費用対効果の変化が指摘され、リアリズムの立場からは経済と安全保障という争点領域を問わない権力闘争の継続が指摘されてきたことはよく知られているだろう。だが、経済と安全保障の交錯に関する理論も実証も必ずしも発展しているわけではない。むしろ、国際政治と国際政治経済という二つの研究領域の間で、この重要な論点が取り逃される傾向もあった。この演習は、その課題に取り組むリサーチセミナーである。
 

授業のキーワード

国際関係 安全保障 通商 商業的平和 

授業計画

第一部では、経済と安全保障の交錯に関わる多様な論点について討論を行う。ゼミに参加される皆さんは、ここで取り上げる論文に徹底した批評を加えるだけでなく、どのような異なる仮説を立てることが出来るのか、またその仮説を立証するためにはどのような作業が必要なのかまで考えていただきたい。他の研究者による業績を検討することが、自分の研究を始める出発点だからである。
 第二部では、具体的な事例に則して、市場統合の進展と安全保障政策の変化を結びつけることができるのか、各自が研究を開始し、その中間的な成果をゼミで報告するものとする。最後に、2013年9月に合宿を行い、この合宿において各自が執筆した論文を報告する。

授業の方法

参加者はA、B、C、D四つの班に分かれる。 それぞれの班は、シラバスに記された論文を読むだけでなく、その論文で展開された議論を吟味し、A4一枚のレジュメを作成し、ゼミにおいて10分以内で報告しなければならない。これは班毎の持ち回りではなく、毎回、それぞれの班が報告する、という意味である。
論文講読の後は独自に立てたテーマに沿った研究報告を行う。ここでは、班ごとに共通のテーマを立てる必要はないが、(1)課題設定、(2)仮説の設定、(3)先行研究、(4)立証方法、この4点は明確でなければならない。これを踏まえ、各自論文を完成し、夏休み後の合宿で発表する。

成績評価方法

出席・報告と提出された研究論文によって評価を行う。評価の比重は、論文講読30%、中間研究報告30%、研究論文40%である。

教科書

第1回の授業で指定し、ダウンロードの手順を述べる。

参考書

特にない

履修上の注意

このゼミに提出する論文を氏サーチペーパーもしくは研究論文として申請する予定のものは事前に教員に相談すること。

関連項目

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