民事法の基層と現代的課題

担当教員

石川 博康

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

 法の生成・展開過程や法を支える社会の構造等を踏まえた基礎的考察を通じて法の基層に降り立つことは、民事法における諸制度を設計し、またそれを解釈・運用するに際しての欠くべからざる諸前提のうちの一つである。本講義では、既存の法制度を評価し、また新たに法制度を構想する際に必要な、民事法の基本的な考え方および概念について講義する。法学未習者と、学部で民事法を一通り勉強した学生で民事法を支える理論的諸基盤についてより広い視野からもう一度理解し直そうと考えている者とを、対象とする。
 本年度は、民事法の諸制度を支えている歴史的基盤に着目し、現代法に関し法史学の観点からの一定の見通しを得ることを目的とした検討を行う。

授業のキーワード

民法,債権法,契約法

授業計画

 本授業では、民法の入門書(米倉明『プレップ民法〔第4版増補版〕』)の記述に即してその内容の把握に努めるとともに、そこで取り上げられている民法上の諸制度に関する法史学の観点からの分析についても併せて参照する。

授業の方法

 初回は、本講義の目的や進め方、参考文献、次回以降の進行予定等について、ガイダンスを行う。2回目以降は、授業の最初に配布する簡単な課題に対する答えを解答用紙に記入して提出し、残りの時間で、受講生との質疑応答を行いつつ、各回のテーマに関する解説・検討を実施する。

成績評価方法

定期試験および出席状況による。

教科書

木庭顕「法学再入門:秘密の扉―民事法編(1)~(12)」法学教室391号~402号(2013~2014年)
米倉明『プレップ民法〔第4版増補版〕』(弘文堂・2009年)

参考書

木庭顕『ローマ法案内―現代の法律家のために』(羽鳥書店・2010年)

履修上の注意

 各回の最初に配布する課題に関しては、その解答の内容の是非は一切問わないが、その後の質疑応答に際しては、受講生には積極的に議論に参加することが期待される。

関連項目

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