国際法実務演習

担当教員

石井 正文 / 山上 信吾

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

外務省国際法局で勤務する実務家(局長石井・審議官山上)による授業。

【石井担当分】
・外交政策形成にあたっての基本的思考方法を学ぶ。具体的には、今後20年程度を見通し、日本の国力の動向を予測し、日本周辺の主要地域の今後の動向と注目すべき世界的趨勢を抽出する。
・その上で、今から日本が考えるべき政策の方向性を検討し、その実現に必要な政策実施手段のあるべき姿について論じる。
・最後に、2014年を見通し、日本外交のあり方について、持論をまとめる。

【山上担当分】
・国際社会で日本が直面している国際法上、政治上の具体的な問題についての理解を深める。
・演習での発表、議論を通じて個々の学生のプレゼンテーション能力の伸長、ひいては、国際社会での一対一の論戦に強い日本人を育てることを目指す。

授業のキーワード

【山上担当分】,日本の外交政策,外交官,国際社会,対日批判,反論,領土問題,歴史認識問題

授業計画

石井、山上が隔週で授業を実施する。

【石井担当分】
以下の8項目を隔週で取り上げる。
(1)日本外交政策形成に当たっての基本的思考の枠組みと、日本の国力のあり方
(2)主要地域の今後の動向(米国、中国、台湾、朝鮮半島、インド、東南アジアなど)
(3)注目すべき世界的趨勢(大量破壊兵器の拡散、テロとの闘い、脆弱国家など)
(4)日本が考えるべき政策の方向性1(「タブー打破」「留め金」「ネットワーク」作り)
(5)日本が考えるべき政策の方向性2(「ルール作り」「対中包括的関与政策」他)
(6)政策実施手段(積極的平和主義とは(平和創設、ODA、グローバル・ガバナンス))
(7)2014年とは、どのような年か?
(8)総括:日本外交のあるべき姿についての提案

【山上担当分】
・我が国の領土に関わる論点を集中的に取り上げ、「固有の領土」「尖閣諸島問題」等について議論する。
・歴史認識問題を集中的に取り上げ、「戦後処理における日独比較」「靖国神社参拝」「慰安婦問題」等について議論する。

授業の方法

【石井担当分】
第一回目で議論の大枠について共通認識を得たのちは、毎回、2名程度に授業項目に関する簡単なレジュメの作成と発表を依頼し、それに基づいて、議論、講評を行う。

【山上担当分】
・第一回目の授業では、演習を実施するに当たっての問題意識の共有を図る。
・第二回目以降は、以下の方法による。
(1)あらかじめ指名された学生が、「日本批判者」、「擁護者」に分かれ、指定されたテーマについて冒頭発言(5分)、相手方発言に対する反論(5分)をそれぞれ行う。
(2)その後、クラス全体で講評を行う。
(3)主要論点について、教員と学生との間で掘り下げた考察を行い、日本の外交官としての効果的な反論の仕方を探求する。

成績評価方法

原則、毎回の議論への参加状況と議論の内容に基づく。
特段の配分なく、準備状況、主張の一貫性、参加のあり方などを総合的に評価する。

参考書

【山上担当分】
・村田良平「何処へ行くのか、この国は」(ミネルヴァ書房)
・岡崎久彦「陸奥宗光とその時代」「小村寿太郎とその時代」「幣原喜重郎とその時代」「重光・東郷とその時代」「吉田茂とその時代」(PHP文庫)
・芹田健太郎「日本の領土」(中公文庫)

関連ホームページ

http://www.mofa.go.jp/mofaj/(日本外務省ホームページ)

関連項目

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