技術利用と法

担当教員

佐藤 智晶

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

 この授業では、技術利用のために情報がどのように使われるのか、製品やサーヴィスが世に生み出されるまでにどのようなプロセスで、どのような法制度が機能しているのかを学び、イノベーションを生み出しやすいプロセスや法制度のあるべき姿を検討する。そのため、この授業はさまざまな法律分野を横断的に学ぶと同時に、イノベーションを創出するために「法」を道具として使うという思考も養う。
 情報理工学研究科における博士課程教育リーディングプログラム「ソーシャルICT グローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム」の学生を念頭に置き、法学の基礎がわからないことを前提に授業を進める。ただし、法学の基礎を理解している学生にとっても有益なリーガルリサーチスキルを提供する。

授業のキーワード

技術,情報通信,法,プライヴァシー,インセンティヴ,イノベーション

Technology, Information and Communication, Privacy, Incentive Innovation

授業計画

1.技術利用と法の関係
(ア)技術利用に関わる法(どんな法がかかわっているか)
(イ)法ができること、できないこと、目指すべきこと
2. 技術利用と情報:技術利用をめぐる情報化の影響
(ア)社会の変容
(イ)法の変容
(ウ)情報の影響:正と負
3.技術利用とイノベーション-個別化医療を例に
(ア)個別化医療って?
(イ)個別化医療のインフラ(情報、ヒト、モノ、お金)とパスウェイ
(ウ)個別化医療のベネフィットに潜む弊害を乗り越えて
(エ)法が扱うべき課題)
(オ)個別化医療での分析を金融製品やサーヴィスへの応用
4.技術利用と法形式
(ア)分析枠組み
(イ)技術利用に親和的な法形式
5.技術利用のための法制度(1)
(ア)契約一般
(イ)ソフトウェアやシステム開発のための契約特有の問題
6.技術利用のための法制度(2)
(ア)パスウェイ
(イ)リソース
(ウ)イノベーションの評価
7.国内の新規技術の利用に関する諸問題
(ア)消費者の便益と未知のリスクの調和
(イ)法と倫理の境界
(ウ)規制と支援手法
(エ)海外展開
8.海外技術の利用に関する諸問題
(ア)国内の新規技術の利用との比較
(イ)製品やサーヴィスの輸入
9.技術革新によって、古い技術が否定された場合の対応策
10.スタートアップ企業のための技術利用に関する法制度
11―13.新規の技術と行政手続(ケース・スタディ)
14.総括

授業の方法

授業、ディスカッション、学生によるプレゼンテーション、可能ならばゲストスピーカーによる説明

成績評価方法

出席、報告内容、質疑応答などの授業への参加(貢献)、そして最終レポートを総合考慮した上で評価する。 

教科書

いしかわまりこ・藤井康子・村井のり子、指宿 信 (監修)、 井田 良 (監修)、山野目章夫 (監修)『リーガル・リサーチ[第4版]』(日本評論社・2012)

参考書

宇賀克也・長谷部恭男 (編集)『情報法』(有斐閣・2012年)
城山 英明 (編集)『科学技術のポリティクス』(東京大学出版会・2008年)
樋口範雄『アメリカ契約法第2版』(弘文堂・2008年)
樋口範雄『はじめてのアメリカ法』(有斐閣・2010年)
塩野誠『プロ脳のつくり方』(ダイヤモンド社・2007年)
?塩野誠『リアルスタートアップ~若者のための戦略的キャリアと起業の技術~』(集英社・キンドル版2013年)

関連ホームページ

https://sites.google.com/site/technologyuseandlawatgraspp/

関連項目

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