エネルギー・環境技術の観点から見た産業技術論

担当教員

角和 昌浩 / 諸葛 宗男

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 冬学期

授業の目標・概要

エネルギー需要が全世界大に増大し、エネルギー・ナショナリズムが高まる中で、わが国のエネルギー供給安定確保と、持続的成長を支えるための地球規模での環境対策は、公共政策上の重要課題である。
この講義ではエネルギー問題に関するさまざまなアプローチとりわけ環境問題からの視角、技術の視角および産業活動からの視角について学んでゆく。
担当教員はエネルギー問題に関して5つの重要な視点があると考える。すなわち(1)我が国のエネルギー確保にとって外交問題が極めて重要、という視点。(2)持続性確保のための環境対策の視点。(3)安全対策の視点、すなわち、東日本大震災による津波で起きた福島第一原発事故の教訓を今後の原子力発電にどう反映するかという視点。(4)産業および家計にとっての経済性の視点。特に電力料金の値上げ問題は避けて通れない視点である。(5)そして最終的にはどのようにベストミックスを確立するかという視点。
本講義は、エネルギー/環境問題を考えるための重要点の基本について、主として技術や産業の側面から論じ、もって同問題にかかわる公共政策のありかたに示唆を与えんとするものである。とりわけ、原子力と再生可能エネルギーを取り上げたい。現状、この2つの一次エネルギー源の開発、利用には、公共政策の関与が不可欠である故である。とりわけ、原子力問題をエネルギー、環境、産業技術の側面から、総合的に、分析的に、ある程度まで深く学ぶ機会を提供することが必要なのではないか、と考える故である。

授業のキーワード

エネルギー技術,エネルギーシステム,原子力発電,再生可能エネルギー,環境,持続性,安全性,経済性,公共政策,研究開発

授業計画

主な内容は以下の通りである。
1.エネルギー技術の変遷と、世界のエネルギー資源およびその変遷
2.既存のエネルギーシステムについての定義など基本的理解
3.エネルギーと環境問題
4.エネルギーと国際問題
5.原子力技術と安全確保策(究極安全の原子力技術とは)
6.エネルギーの経済性
7.ベストミックスのあり方

授業の方法

講義では担当教員の経験した企業の現場での経験談を交えながら、産業技術の全体像を把握することを目指す。重要課題についてはその分野の専門家を招いて直接話を聞く機会を設ける。闊達なディスカッションを期待する。

成績評価方法

成績評定は出席率とレポートにより行う 

教科書

小宮山宏『地球持続の技術』岩波新書
山名元『間違いだらけの原子力・再処理問題』ワック社 2011  
松井賢一 『エネルギー問題!』 NTT出版 2010

参考書

山名元、森本敏 『それでも日本は原発を止められない』 産経新聞出版 2011 
エネルギー白書 各年版
経済産業省 エネルギー施策情報  http://www.enecho.meti.go.jp/policy/index.htm
石井彰 『エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う』 NHK出版新書、2011
杉山太志 『環境史から学ぶ地球温暖化』 エネルギーフォーラム新書 2012 

関連ホームページ

../../courses/index.htm

関連項目

Courses