先進国の比較政治

担当教員

水島 治郎

単位数 / 使用言語 / 配当学期

2単位 / 日本語 / 夏学期

授業の目標・概要

西欧諸国を主たる題材とし、歴史的な背景を重視しながら、先進国の現代政治を比較しつつ検討することが本講義の目標である。
現代のヨーロッパは、欧州統合の進展、福祉国家の再編、都市におけるイノベーションをはじめとしたさまざまな先進的試みの舞台であるが、他方で金融危機を端緒としたEU内の亀裂の発生、既成政治批判の高まりとポピュリズム政党の躍進、排外主義の伸長にみられるように、その影の部分も無視することができない。本講義では、ヨーロッパ諸国にみられる多様性の背景にある歴史的な文脈に触れつつ、現代ヨーロッパの構造変容の理解を試みることで、日本で学ぶわれわれがくみ取れるものは何かを考えてみたい。

授業のキーワード

比較政治,現代西欧政治,歴史政治学,政党システム,言語と政治,ヨーロッパ統合,ポピュリズム,福祉国家再編,移民政治,宗教と政治,民族問題

授業計画

おおむね以下の内容について講義するが、変更もありうるので、詳細は初回配布の授業計画表を参照のこと。

現時点では、第1回は導入、第2回~6回は政党政治、第7回~11回は政治(経済)体制、第12~13回はその他(都市・植民地)という流れで進める予定である。

1.イントロダクション-比較の中のヨーロッパ政治-
2.政党システムとその変容
3.移民政治とポピュリズム
4.宗教と民主主義-キリスト教民主主義の展開-
5.政権交代と社会民主主義
6.グリーン・ポリティクス
7.言語と政治-ベルギーの言語問題-
8.福祉国家とグローバリゼーション
9.福祉国家再編の政治-反転する福祉国家-
10.中間団体のデモクラシー-コーポラティズム-
11. 制度と「拒否」の政治学-「拒否権プレイヤー」と政策転換-
12. グローバル・シティの形成と展開
13.ポストコロニアル政治-ヨーロッパと植民地支配-

授業の方法

講義による。

成績評価方法

筆記試験によるが、コメント用紙を配布し、提出を求めることもある。場合によっては任意提出のレポートを課すこともある。

教科書

特定の教科書は用いないが、馬場康雄・平島健司編『ヨーロッパ政治ハンドブック』(東京大学出版会)は適宜参照する。また個別のテーマについての参考文献は、授業時に配布する資料を参照されたい。

関連ホームページ

http://www.shd.chiba-u.jp/~mizushima/index.html

その他留意事項

担当者はオランダ政治を専門としていることから、オランダ・ベルギーなどの小国に関心を持つ受講者の参加は特に歓迎する。

関連項目

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