日本のマクロ経済政策
Macroeconomic Policies in Japan

担当教員 / Instructors

齋藤 潤

配当学期 / 使用言語 / 単位数 / Term / Language / Credits

S1S2 / 日本語 / 2

授業の目標・概要 / Objectives

日本におけるマクロ経済政策の特徴と課題を多面的に明らかにする。そのために、日本におけるマクロ経済政策の歴史的変遷を踏まえた上で、我が国における財政政策及び金融政策について、その企画、決定、実施過程の特徴やその効果・弊害を明らかにするとともに、直面する課題やそれを巡る議論について紹介する。また、国際機関における議論などを通じて、世界からみた時に浮かび上がるその特徴や課題についても整理する。最後に、計量モデルの発展とマクロ経済政策におけるその利用について論じる。

授業のキーワード / Keywords

GDP, 景気循環, マクロ経済政策, ケインズ政策, 財政政策, 金融政策, 公共事業, 減税, 建設国債, 赤字国債, ケインズ効果(乗数効果), 中立命題, 基礎的財政収支, 公債等残高, 財政再建, ドーマー条件, 非ケインズ効果, 操作変数, 金融調節, 金融政策の波及経路(トランスミッション・メカニズム), 非伝統的金融政策, 金融的不安定性, OECD, IMF, EU, ユーロ圏, G20, マクロ計量モデル, シミュレーション, 乗数表, ルーカス批判, DSGEモデル

授業計画 / Schedule

1.日本のマクロ経済政策の概観
①景気循環の定義と把握方法
②マクロ経済政策の目的と効果
③戦後日本の景気循環とマクロ経済政策の変遷
2.日本の財政政策
①歳出面の現状と課題
②歳入面の現状と課題
③経済成長と財政健全化
3.日本の金融政策
①金融政策の制度的枠組み
②金融政策の経験:有効性と限界
③金融政策の課題
4.世界の中の日本のマクロ経済政策
①世界金融危機後のマクロ経済政策の課題
②世界的にみた日本のマクロ経済政策の特徴
③グローバル化が進展する中でのマクロ経済政策の課題
5.日本における計量モデルとマクロ経済政策
①マクロ計量モデルによる政策評価
②マクロ計量モデルへの「批判」と近年の展開
③ミクロデータを用いたマクロ政策評価

授業の方法 / Teaching Methods

講義形式で行います。質問は講義の前後の他、メールでも受け付けます。

成績評価方法 / Grading

成績の評価は学期末の定期試験で行います。

教科書 / Required Textbook

特にありません。

参考書 / Reference Books

その都度指示します。

履修上の注意 / Notes on Taking the Course

特にありませんが、現実の政策問題に関心があると、それだけ理解は深まります。そのためには、経済誌紙に目を通しておくことを勧めます。

その他留意事項 / Miscellaneous Information

到達目標、履修後の可能な進むことのできる方向●講義を通じて政策分析や政策提言についての基礎知識を得ることができます。これによって官庁エコノミストや民間エコノミストの議論を理解し、その議論に参加できるようになります。経済官庁や民間シンクタンクに進む道も開かれます。

関連項目 / Related Resources