事例研究(科学技術と政治・行政)
Case Study (Science, Technology, Politics and Administration)

担当教員 / Instructors

城山 英明

配当学期 / 使用言語 / 単位数 / Term / Language / Credits

S1S2 / 日本語 / English / 2

授業の目標・概要 / Objectives

科学技術利用に伴うリスクについては、「安全」領域において、原子力安全、化学物質安全、医薬品安全、交通安全、医療安全等を対象として、様々な分野におけるリスクを対象として扱われてきた。そして、リスク・アプローチを活用して、リスクの可視化を行い、リスク間比較や優先順位付けの支援を行うリスク・ガバナンスが試みられてきた。他方、「セキュリティ」の領域では、長く伝統的な地政学的安全保障が主要な関心・分析対象であったが、近年、冷戦構造の崩壊やグローバル化といった要素を背景として、テロ(物理的なものとサイバー上のものを含む)、エネルギー安全保障や感染症の拡大の問題など、多様な問題が「セキュリティ」の対象として選択されるようになっている。そして、リスク・アプローチを「セキュリティ」領域に適用することが、安全保障における拡散するリスクを扱う際に試みられてきた。この演習では、リスク・アプローチ、リスク・ガバナンス、セキュリタリゼーションに伴う安全保障の変容、安全保障分野におけるリスク・アプローチの活用に関する文献を講読するとともに、伝統的安全保障、食品安全、エネルギー安全保障等の具体的分野のリスクガバナンスの現状と課題について検討する。

授業のキーワード / Keywords

リスク・ガバナンス,リスク・アプローチ,セキュリティ,セキュリタイゼーション

授業計画 / Schedule

リスク・アプローチ、リスク・ガバナンス、セキュリタリゼーションに伴う安全保障の変容、安全保障分野におけるリスク・アプローチの活用等に関する主として英文の文献について、演習形式で検討する。並行して、伝統的安全保障、食品安全、エネルギー安全保障等の具体的分野の現状と課題について、各々の専門家から話を伺う。最終的には、参加者は任意のテーマに関して、レポートを執筆することが求められる。

授業の方法 / Teaching Methods

演習形式で行う。

成績評価方法 / Grading

平常点、レポートによる。

参考書 / Reference Books

Renn, O. and Walker, K.D., eds. (2007), Global Risk Governance: Concept and Practice Using the IRGC Framework, Hardcover
Buzan B., Waever O. and Wilde J. (1998), Security: A New Framework for Analysis, Colorado: Lynne Reinner Publishers.
Heng (2006) War as Risk Management: Strategy and Conflict in an Age of Globalized Risks, Routledge.
NRC (2010), Review of the Department of Homeland Security's Approach to Risk Analysis, National Academies Press.

関連項目 / Related Resources