大学教育の国際化推進プログラム(先端的国際連携支援)
文部科学省「大学教育の国際化推進プログラム(先端的国際連携支援)」に公共政策大学院の取組が採択されました
文部科学省の平成19年度「大学教育の国際化推進プログラム(先端的国際連携支援)」に、東京大学として応募していた取組「世界公共政策ネットワーク推進計画(ダブル・ディグリーの導入とグローバル化に対応する教育基盤の構築)」(取組担当者:大学院公共政策学連携研究部・教育部長・森田朗院長)が採択されました。本大学院は専門職学位課程ということもあり、東京大学でダブル・ディグリー(二重学位)制の試行的な導入を試みる初めての大学院となります。
プログラムの目的
「先端的国際連携支援」は、海外の大学との交流実績等を生かし、海外の複数の大学等と連携し、ダブル・ディグリーなどの複数学位プログラムをはじめとする国際的な共同プログラムを実施する等、知のネットワーク化に資することができ、我が国の高等教育を国際的な水準に引き上げる先端的な国際連携を図る取組の中から、特に優れた取組を選定し、財政支援を行うことで、我が国の高等教育の国際化の一層の促進及び国際的な魅力の向上を図ることを目的としています。
選定理由
選定にあたり、公共政策大学院の取組は、以下の点で評価されました。
- 世界高水準を誇る協定校がすでにダブル・ディグリー制の導入を希望している
- 実現性が高い
- 目的・目標及び取組の実施計画が明確で、かつ、具体的である
公共政策大学院の取組
世界公共政策ネットワーク推進計画
(ダブル・ディグリーの導入とグローバル化に対応する教育基盤の構築)
世界をリードする人材の育成をめざす当公共政策大学院は、こうした世界の動きに対応すべく、このようなネットワークへの参加をめざしており、今回の取組はその第一歩と位置づけています。
取組の概要
採択された取組は、世界トップレベルの複数の公共政策系大学院による「世界公共政策ネットワーク」(GPPN: Global Public Policy Network)において、海外の主要大学と連携してダブル・ディグリー制を採用した共同プログラム実施のための制度を整備し、グローバル化に対応する公共政策教育基盤を構築するというものです。この取組では以下の内容を実施する計画です。 1. GPPNに日本を代表する大学として参画し、グローバル化に対応した公共政策教育基盤の構築を連携して行う。 2. ダブル・ディグリー制の導入を推進する。 3. カリキュラムの再編成を行う。特に、英語による講義の充実を図るための措置を講ずる。 4. その他、シンポジウム等の開催、共通の公共政策情報基盤の構築等をGPPN構成大学間で幅広く行う。
今後の計画
公共政策大学院では、平成19年度から平成22年度にかけて、ダブル・ディグリー制の導入体制を徐々に整備していく予定です。ダブル・ディグリー制とは、一定の期間中に二つの大学院から二つの学位を受けることをいいます。本大学院の場合、最短で2年〜2年半で、本大学院の学位(公共政策学修士(専門職))と海外の公共政策系大学院の修士号とを取得できるようにします。いままで単位の相互認定のみで学位取得ができなかった協定校ともダブル・ディグリー制を視野に入れた協定内容に移行し、GPPNの他の提携校とも協定を結ぶことで学生の交流を活発にします。
GPPNとは
「世界公共政策ネットワーク」(GPPN: Global Public Policy Network)は、コロンビア大学国際・公共政策大学院(SIPA)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、シアンスポ(パリ政治学院)の3校の呼びかけにより設立された世界の公共政策系大学院のネットワークで、ダブル・ディグリー制による学生の交流や、グローバル化に対応した公共政策教育基盤の共同開発、年次大会による情報交換などを行っています。続いてシンガポール国立大学リー・クァンユー公共政策大学院(LKY-SPP)がGPPNに参加し、北京大学もGPPNの枠組みでダブル・ディグリー・プログラムの共同開発を始めています。
ダブル・ディグリーのしくみ