シンポジウム
危機に晒される日本のエネルギー・環境技術
―日本のエネルギー・環境技術の競争力と気候変動交渉―
趣旨
日本企業の持つ温室効果ガス排出削減効果の高い優れたエネルギー・環境技術によって、経済成長が著しいアジアの市場を開拓することは、日本経済の成長につながると期待されています。しかし現実には、中国などの新興国の企業が、先進国からの技術移転を通じて成長して日本企業と競合するようになっており、市場確保は容易な状況ではありません。
一方、温暖化防止をめぐる国際交渉は順調に進展しているとは言い難い状況です。その背景には、先進国と新興国の間の、経済に悪影響を及ぼしかねない削減義務の公平性を巡る戦いと、巨大なエネルギー・環境技術市場の覇権を巡る戦いがあり、途上国は、例えば更なる削減技術移転の必要性を理由に先進国企業の知的財産権の開放を求めています。
こうした状況を踏まえ、東京大学公共政策大学院TECUSE*研究プロジェクトでは、①新興国企業などのライバルとの競争を勝ち抜き日本の優れた技術を普及させるためには、ビジネスと政策の両面で何をすればよいか、そして、②気候変動交渉にどのように対応し国際枠組みの下での技術移転協力をどのように進めればよいか、という2つの問いについて、詳細な事例分析などに基づいて研究してきました。
本シンポジウムではこれまでの研究成果を紹介しつつ、政府・産業界の関係者を交えたパネルディスカッションを行って、競争力強化と温暖化交渉への処方箋を議論します。
日時: | 2013年2月13日(水)9:30-13:00 |
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場所: | 伊藤謝恩ホール(伊藤国際学術研究センター内 地下2階) |
主催: | 東京大学公共政策大学院 |
共催: | 東京大学政策ビジョン研究センター |
※入場無料・事前申込制
定員に達しましたので、申し込みを締め切りました。
尚、シンポジウム開催中の質問・意見は電子メールにて承ります。メールアドレスは当日ご連絡します。
プログラム
09:30-09:40 | 冒頭挨拶・イントロダクション 本部和彦 東京大学公共政策大学院特任教授 |
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セッション1:日本のエネルギー・環境技術の競争力と海外展開 | |
09:40-09:55 | 研究成果の紹介:上野貴弘 東京大学公共政策大学院客員研究員 |
09:55-10:55 | パネルディスカッション |
モデレーター: 本部和彦 東京大学公共政策大学院特任教授 | |
パネラー: 砥山浩司 関西電力(株)火力事業本部計画グループ・チーフマネジャー 岡崎照夫 新日鐵住金(株)環境部地球環境対策室上席主幹 圓山博嗣 日産自動車(株)企画・先行技術開発本部環境・安全技術渉外部部長 工藤拓毅 (一財)日本エネルギー経済研究所研究理事 上野貴弘 東京大学公共政策大学院客員研究員 | |
10:55-11:10 | 休憩 |
セッション2:気候変動交渉の行方―公平な削減目標とエネルギー・環境技術市場を巡る二つの戦い― | |
11:10-11:25 | 気候変動交渉(COP18)の結果と今後の動向について 信谷和重 経済産業省産業技術環境局地球環境対策室長 |
11:25-11:35 | 研究成果の紹介: 上野貴弘 東京大学公共政策大学院客員研究員 |
11:35-12:55 | パネルディスカッション |
モデレーター:城山英明 東京大学公共政策大学院副院長、政策ビジョン研究センター長 | |
パネラー: 河野博子 読売新聞編集委員 信谷和重 経済産業省産業技術環境局地球環境対策室長 木山 繁 (独) 国際協力機構上級審議役 島田久仁彦 KS International Strategies代表取締役社長・環境省参与 手塚宏之 JFEスチール(株)技術企画部地 球環境グループリーダー・理事 本部和彦 東京大学公共政策大学院特任教授 立花慶治 東京大学公共政策大学院客員研究員 | |
12:55-13:00 | 閉会挨拶 城山英明 |
*TECUSE(Technology Transfer under Sustainable Economy)とは、アジアを中心とする途上国への温暖化対策技術の移転・普及と日本の産業競争力の維持・向上を両立させる方策の研究し、その研究成果を気候変動国際交渉の政府担当者や産業界へ発信するためのプラットフォームを組織することを目的とした、公共政策大学院の研究プロジェクトです。