第69回公共政策セミナー

『新たな産官学連携を目指して』

日 時 :2012年5月11日(金) 16:45-18:00
会 場 :東京大学本郷キャンパス 法学部4号館8階 大会議室(地図

5月11日(金)に法学部大会議室において、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構古川一夫理事長による第69回公共政策セミナー『新たな産官学連携を目指して~太陽電池、燃料電池、半導体などを題材に~』が開催されました。

講師略歴

生年月日:1946年11月3日
最終学歴:1971年3月 東京大学大学院(電気)修士課程修了

<主要職歴>

1971年 4月 株式会社 日立製作所 入社
2006年 6月 取締役 代表執行役 執行役社長
2009年 4月 取締役 代表執行役 執行役副会長
2009年 6月 特別顧問
2011年10月 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事長(現職)

<主な社外団体役員>

2007年5月~2009年5月 社団法人 日本経済団体連合会 副会長
2011年5月~現在 一般社団法人 情報処理学会 会長

講演概要

1. NEDOのミッション・概要

NEDOのミッションは大きく二つで、エネルギー・地球環境問題の解決と、我が国の産業競争力の強化。経済産業省(METI)の下にある独立行政法人であり、METIの政策や産学界と連携し、ナショナルプロジェクトを推進し、イノベーションの実現を促進する。1980年の第二次オイルショックがあった際に、新エネルギー問題を念頭に特殊法人として設立された。88年には産業技術部門を追加し、現在のNEDOとなった。2003年10月に独立行政法人化。約900人、年間予算約1300億円でそのミッションを遂行している。

今日は、公共政策セミナーという場なので、公共政策において重要である産学官連携をテーマに設定した。日本の今後のイノベーションの行く末の話をしたい。

2. 日本の製造業の現状

日本の大手電機メーカーは極めて厳しい状況といえる。特に、テレビの状況が非常に厳しい。2005年から2011年のシェアの割合は、日本の低下と中韓のさらなる上昇を示している。感覚的には韓国に負けていると思うかもしれないが、この図を見ると、中国のシェアの伸びがきわめて驚異的であり、今の中国の状況を物語っている。

日本は「技術で勝って、事業で負ける」とよくいわれるが、否定できない事実である。グローバル化の進展に伴い、技術だけでは勝てなくなっている。技術と共に標準化等、国際競争力を確保できるビジネスモデルが大切。

そして、その国際的な競争環境にも、黎明期、競争期、拡大期の視点で見ると変化が見られる。ポイントはモジュール化(「ターンキー・ビジネス」化)・デジタル化の進展。

モジュール化の進展により、日本が得意な摺合せを飛び越えて、部品やコンポーネントを組み合わせると非常に容易に製品が製造できるようになった。つまり、製造機械のスイッチをいれるだけでどこでも製品の製造ができる国際分業の時代になった。

また、デジタル化の進展について、「ネットワーク外部性を伴う新市場」というのは、ネットワーク加入者が増えると倍々ゲームで利益が出るという状況。競争期における集中投資によって、拡大期では圧倒的な差が生まれる。これを成功させたプレイヤーがグローバルプレイヤーになり、さらに新興国市場でシェアをとる。競争期で敗れたプレイヤーはローカルプレイヤーとして、国内市場にとどまる。

3. 現状の分析-産学連携の小粒化

第一の原因は、企業の全体的な弱体化。企業の研究開発費は、2007年をピークとして、2008年からリーマン・ショックの影響により停滞し、昨今では震災・円高により減少している。我が国全体の研究開発は7割が民間といわれる。ここの停滞は極めて問題が大きい。また、研究開発の短期化が深刻化し、業種別にみると、電機では半分以上で短期の研究開発が増加している。果実をできるだけ早く刈り取るという意味で、じっくり長期的な開発が出来なくなっている。

第二の原因は、大学機能の低下懸念。国の政策もあって、大学運営費は低下し、人件費比率が増えている。運営費はH16~H23の7年で900億円(7%)減少しており、人件費が9割を超える。研究のための設備・費用が極めて出にくくなっていることを表す。本来大学とはイノベーションのためのシーズを期待する場であり、そのための知的発信源となってもらわないと困るが、研究水準の維持・向上がなかなか難しい状況。

以上から、産学連携は極めて小粒化している。日本経済が好調だったときはうまく機能したが、今は産も学も弱っている。共同研究一件あたりの費用は、諸外国では1000万円が一般的である一方、日本の平均が200万円、100万円以下が半分となっている。

4. 過去の成功事例

少し視点を変えて、過去の成功をみてみたい。過去30年の成功事例として、太陽電池、燃料電池、半導体製造装置を挙げる。

まず、太陽電池。1974年のサンシャイン計画、1993年のニューサンシャイン計画で、約1700億円を投入した。企業の自主開発も増え、補助金があり、約5000億円以上の開発がされた。その結果、1999年から2007年までは世界シェア1位だった。しかし、先ほど冒頭で述べた通り、他の製品の例にもれず、今は厳しい状況。

次の成功事例は、燃料電池。78年のムーンライト計画から取り組んでいる。燃料電池開発にも約1500億円の費用を投入し、民間開発も増えた。数年前には、「エネファーム」を開発し、世界初の家庭用燃料電池となった。実績累計1万件ということで、今のところ成功事例といえる。

そして、半導体製造装置。60年代のコンピュータの開発と並行して行ってきた。その中でも特に製造設備の開発については約1000億円の費用を投入し、電子描画装置・光学的ステッパで世界過半のシェアをとった。また、高効率次世代半導体製造システム技術開発を行い、60%の省エネを実現し、高い競争力を得た。

5. 成功要因と環境変化

成功要因として、一つ目は中期的な目標の共有が挙げられる。キャッチアップ期を背景として、開発目標を明確化することができていた。二つ目には、石油危機を背景とした国民的合意があった。三つ目は、事業化への道筋が明確であった。ワンセット型産業構造・国内でのサプライチェーンの完結があり、また日本市場に成長性・代表性があり、出口が明確だった。

これに対し現在は、必ずしもキャッチアップする状況ではなく、むしろ自らがターゲットを考える状況である。また、国民的合意の形成も難しい。さらには、技術シーズ、サプライチェーンの多様化、グローバル化によって、コンセンサス標準が広がり、技術優位が相対化している。これらの環境変化によって、極めて厳しい環境下に置かれているのではないかと思う。

6. 新しいイノベーション

イノベーションについては色々な議論があるが、ここでは、主体、投入、成果、効果の四つのフェーズで考えてみる。従来は、企業・研究機関のシーズをR&Dし、生産財を使って生産を行い、市場の成長・効率向上に繋げるというプロセスだった。これに対し、これからは、最初の段階からシーズだけでなく、マーケットのニーズをきちっと取り込み、ユーザー・消費者のいろいろな意見を入れなくてはならない。換言すれば、「オープン・イノベーション」というコンセプトを最初から導入するということである。

投入・研究開発のフェーズでも、非R&Dイノベーション活動、つまりその開発段階から実証のプロセスに入る、又は新市場の開拓を行うConcurrentな活動をしていかなくてはならない。

それから成果の段階では、無形資本、すなわち知財・標準化の重要性がある。

最終的な目標である成長・生産性段階においては、社会的価値を最初から考え、課題解決型のイノベーションを目指す必要がある。

このようなイノベーションをここでは「新しいイノベーション」と呼び、NEDOではこのような取り組みを重視して活動している。

7. NEDOのオープン・イノベーションの事例

NEDOの「オープン・イノベーション」について、燃料電池の開発と次世代の半導体微細加工評価基盤技術の開発を例に、どのような考え方でイノベーションを推進してきたのかを示したい。

燃料電池開発は従来、大学などのシーズを研究開発するのがメインだったが、この水素電池については、各大学のシーズにNEDOが積極的にプロジェクトリーダーを送り込み、61大学、26研究機関、131企業のコンソーシアムを作って取り組んでいる。京都大学、山梨大学、九州大学を拠点に役割分担をきめ、各フェーズで成果を持ち寄り、Integrateする。

次世代半導体微細加工評価基盤技術の開発についても現在では、Joint Initiativeと呼ばれる、海外機関・メーカーと協力した開発手法を採用している。具体的には、海外の半導体プレイヤーとJDAを結び、また、海外の研究開発機関であるSEMATECH、IMECとも協力している。日本の資金を投入して海外プレイヤーと協調するということでControversialな面もあるが、オープン・イノベーションを実現するためにこのような方法を用いている。

8. NEDOの実証・新市場開拓の事例~太陽電池での取り組み~

新しいイノベーションの実証・新市場開拓について、太陽電池、特に有機太陽電池の例がある。有機太陽電池は、①軽量・Flexible、②斜光・弱光での発電、③高い意匠性等の特徴をもつ。これを市場化させるため、まずユーザーの方と組んで、設置実施を行い、新市場開拓を行っている。即市場化を目指して、スピード感を持って新市場投入をしていく。

もうひとつの取り組みは、海外市場の開拓。このような一民間企業では難しい仕事も、METI等官の力と協力して行っている。たとえば、薄膜シリコンの例がある。薄膜シリコンは、高温下での発電に優れるため、中近東・アフリカ・インドなどで活躍することができる。そのため、これらの地域での市場化をめざし、NEDO海外実証事業を通じて市場開拓・低コスト化支援を行っている。このような短中期的対策で、シェアを取り戻していく。

長期的な取り組みとして、革新的高効率太陽光発電を開発する。革新的な技術開発に取り組み、ここで中韓の追い上げを振り切る。

9. NEDOの知財・標準化取組事例

NEDOの知財・標準化の取り組みは、早期の国際市場獲得を目指して、技術開発成果の国際標準化を推進することを目標としている。これも、一企業でやるというのは難しい。ここでは、NEDOがメーカーの方と一緒に行う開発において、国際機関に持って行けるものは早期に持ち込むという取り組みの例を挙げる。たとえば、自動車用リチウム電池のセルの規格をIECとJWGに提案している。日本メーカーが国際市場で優位に立つために、NEDOは始めの段階からここまで踏み込んだ支援を行っている。

機能材料分野では、高機能低電力化に向けた半導体デバイス加工用マスク高品位化の規格がSEMIで採用された。

10. NEDOの課題解決型イノベーション その1~スマートコミュニティ~

課題解決型イノベーションについて、NEDOが最近一番力を入れているのはスマートコミュニティ。なぜなら、NEDOの最大のミッションは、新エネルギーや省エネルギーの技術の普及を産官学一体となって目指すことであるから。NEDOは、いかにエネルギー効率の高い街づくりをしていくかということで、スマートコミュニティ、スマートグリッドに早い段階から取り組んできた。この取り組みは、震災以降さらに加速している。NEDOの主な取り組みは、以下の3つ。第一に、太陽光発電、風力発電、蓄電池等の再生可能エネルギーの導入拡大に向けた技術開発。第二に、省エネ、省CO2を、重厚長大産業のみに対してだけではなく、家庭用、ビル用、交通用等に対しても推進。第三に、高効率省エネ機器の面的な利用。これら3つの取り組みをトータルで推進するために、スマートコミュニティ・アライアンスに取り組んでいる。

11. スマートコミュニティ・アライアンス

スマートコミュニティには、中心にエネルギーマネジメントシステムがある。これを使って、太陽光や風力といった気ままなエネルギー源を、電池とマネジメントシステムを用いて平準化し、効率的に使うというのがスマートコミュニティの基本的な考え方。

これを実現するために、業界の垣根を超えて産官学一体となった国内アライアンスを構築し、行政、自治体、メーカー、大学等エネルギーに関係する方々に集まってもらい、課題をシェアし、取組みを決め、全体をNEDOがまとめる。今年4月現在で会員数は322社となっており、JSCA(Japan Smart Community Alliance)という名前でやっている。具体的な取組みとしては、海外とのリンケージ・戦略の強化、そしてこれを通じた国際標準化への取組みの強化等。また、これら国内外の活動を通じて、ロードマップの策定、見直し等を行なっている。

12. スマートコミュニティ分野での国際標準化

ここでの重要な課題の1つは、国際標準化。標準化においては1つの業界だけでは審議検討できないような、業界にまたがるシステムの安全性やインターフェースを取り扱う。我々は主にJSCAの場を活用して、標準化の議論をする。国際標準への取組みは、これまで非常に複雑で困難なものだった。これらの経験を踏まえて、METIやJISC(Japanese Industrial Standards Committee:日本工業標準調査会)と緊密な連絡をとって課題解決に取り組んでいる。具体的には、全体戦略の議論・決定、蓄電池や次世代自動車等の各ワーキンググループでの議論、そしてJISCの中のスマートグリッド国際標準化戦略分科会での慎重な議論を踏まえて、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)やIEC(International Electro technical Commission:国際電気標準会議)への提案を始めている。ここでは、NEDOが行う海外の実証ケースのデータを元に議論を交えて、相手国の標準化機関とのジョイントで提案する等、国際的なコンセンサスを得ながら、提案活動を行っている。

一方、METIが行う国内4地域での実証PJのデータも踏まえ、国内で採取したデータの海外での通用も考慮し、提案をしている。

このような活動を通じて、日本の優れた技術をコア技術としてブラックボックス化し、海外市場ニーズに合わせて現地仕様パッケージとして展開していくことを目標とする。

13. NEDOの課題解決型イノベーション その2~IT融合による新社会システム開発・実証プロジェクト~

もう1つ取り組んでいる課題解決型イノベーションは、IT融合による新社会システムの開発・実証プロジェクト。我が国は、非常に高度な技術基盤の保有国であるとともに、課題先進国と言われている。この優位性を生かして、大規模リアルタイムデータ処理技術を活用することにより、人類共通の課題を乗り越える持続可能な社会システムを創出することを目指す。

先ほどのスマートコミュニティの話でもエネルギーマネジメントとしてITが使われているが、もう少しハイアラーキーの高いところでITを用いて、我が国の少子高齢化、超都市集中化時代に相応しい都市社会モデルを構築しようと考えている。具体的には、実社会のデータを抽象化しサイバー空間に持って行き、分析し、また実社会に戻すという形でITを用いる。例えば、位置情報、健康情報、気象情報、植物生育情報等色々な情報をグローバルに処理し、解析していきたい。

具体的なターゲットは、農業、医療、そして新都市交通。医療問題では、プライバシー情報を落としてデータを抽出するという技術が非常に重要。また別の視点で、新都市交通では、様々なトラフィックデータを活用して、新都市社会を実現していくことを構想している。このように、課題解決技術先進国としての日本の優位性を活用し、実社会とITを融合することでさらに新しいソリューションを見つけようということが、日本の先進的な取組みの1つ。

14. 結論

以上、新しいイノベーションとして、開発段階からの実証・新事業の開拓、知財・標準化、課題解決型イノベーションを紹介した。METIや関係者の方々と共にこれら新しいイノベーションに挑戦していくことが、NEDOの現在の大きな課題。冒頭に述べたように、大昔には産官学共同が「悪」とされた時代もあり、また、高度経済成長期のように産官学の連携が非常に上手くいっている時代もあった。しかし、現在はこの連携が少し毀損している状態。我々は、もう一度産官学を盛り上げることにより、新しい視点でのイノベーションの起爆剤としていきたい。今日は公共政策セミナーということで、少し産官学共同に偏った話をした。NEDOは、このような話以外にも素材や医療の話等、幅広い活動をしているので、興味のある方は是非NEDOのHPにアクセスして頂ければと思う。皆様からの意見を伺い、産官学共同をより良い方向へ持って行きたいと考えている。

15. 質疑応答

質問 安価な素材をベースにした新興国の製品に競合できるためには、従来のキャッチアップ型の技術開発からどのような変化が必要か。

回答 太陽電池に対する中国の取り組みは、安いシリコンインゴットを素材に開発をしている。そこで、我々は第一に、「新しく技術的に優位な素材」をスピーディーに開発して、素材だけでなく使い方を含めて、我々とユーザー、メーカーの方と共同して世界的に実証していき、キャッチアップメーカーに差をつけようとしている。そのため、太陽電池に関しては、結晶系でない太陽電池の競争力を高めることが重要。第二に、特徴ある技術に特化することで、世界市場に先行する。そのためにも太陽電池開発は、量子ドットや多接合太陽電池等の革新的な技術を早く取り込むと同時に技術に基づいた製品を開発することと、システムインテグレーターとしてのノウハウを早く身に付けることが必要。現在、NEDOは、日本が太陽電池市場で巻き返すための取り組みを実施している。

質問 2000年ごろから日本のメーカーの国際的競争力が、特に韓国との比較で弱まっているのはなぜか。

回答 黎明期と競争期にかけての設備投資や研究開発等への集中投資力の差が、拡大期での国際競争力の差につながったと思う。

質問 日本の半導体や家電のシェアが韓国や中国のメーカーにキャッチアップされている。この状況は、かつて日本メーカーが欧米のメーカーに取って替わったという歴史の繰り返しなのだろうか。また、この問題を深刻にとらえるべきか、それとも次のステップとして考えるべきか。

回答 かつて欧米のメーカーをキャッチアップしてきた日本の家電や半導体のメーカーが、昨今、韓国や中国のメーカーにキャッチアップされていることは確かだと思う。そのこと自体が問題であるかどうかについては議論が分かれるが、電機機器からの視点で見ると、私はキャッチアップされる産業に代わる非常に成長力のある産業が育っていないことが国全体の問題であると思う。

質問 大規模企業が小規模企業の技術を導入する機会や手段はあるか。

回答 NEDO全体では、大規模企業の他にも、中堅中小規模の企業の方々のシーズを受け取り、いかに産業化させていくかについても考えている。ただし、大規模企業では2、30年前までは、「クローズド・イノベーション」のままで十分成功していた。しかし、昨今では大企業も、「クローズド・イノベーション」に限界を感じてきている。そのため、日本の大企業としても、「オープン・イノベーション」など外部からのアクションを受け入れることができるような環境が整いつつある。

質問 グローバルな人材の育成は、どの程度進んでいるか。

回答 「オープン・イノベーション」を導入することにより外部との連携を強化している。ただし、人材育成に時間がかかるので、大企業側に人材が十分に揃っているとは言い切れないのが現状。

質問 大学運営機能低下の中、大学の人材育成が企業の期待に応えられているか。

回答 私はグローバルの視点があると良いと思う。企業としてもグローバル人材の開発に苦戦している。そのため、大学の先生方がグローバル視点を採り入れて頂けると、日本全体のグローバル化に役立つと思う。

質問 NEDOと、海外のNEDO類似の機関との間にはどのような違いがあるか。

回答 NEDOは、各国のファンディング組織との30年以上の強いつながりを生かして、具体的な所まで踏み込み海外向けの活動に注力している。この傾向は、特にここ数年間で見られるようになっている。他方、アメリカやヨーロッパ等のファンディング組織は、NEDOの従来の形と類似でシーズを産業化していくというもので、メーカーの方々と一緒に世界に出て行き、ソリューションビジネスを展開するという段階には至っていない。そのため、NEDOが国際標準化においても様々な場面で働きがけをしているので、日本のメーカーを連れてきていることに対して他国には警戒感や不快感があると思う。しかし、他国も導入する意志を持とうとしている。NEDOは、日本が目指すスマートコミュニティ等のインフラ輸出をぜひ進めて行きたい。水処理や省エネなど様々な技術開発に取り組んでいるが、やはり具体性こそが日本のNEDOの特徴。

関連項目

公共政策セミナー