在学生用掲示板

2011-06-07

【授業】月曜3限「行政法の現代的諸問題」の履修者へ

宇賀克也先生からの連絡事項です。

 6月6日の授業で、情報公開訴訟におけるインカメラ審理の話がありました。 最高裁は、これは民事訴訟の基本原則に反するから明文の規定がない限り認められないとしたのですが、憲法82条違反とはしませんでした。 これが、今回の情報公開法改正案におけるインカメラ審理の導入につながったのですが、これについては、概説Ⅲの400~401頁を参照してください。 内閣府情報公開・個人情報保護審査会は、インカメラ審理の権限を有し、開示請求対象文書の提示を審査会が求めた場合には、諮問庁の大臣等は、 これを拒否することができません。これは、分担管理原則(概説Ⅲ105頁参照)の例外になります。 公文書管理法に基づく公文書管理委員会にも、インカメラ審理の権限が付与されました。
 内閣府情報公開・個人情報保護審査会と異なり、委員が国会同意人事でない公文書管理委員会にも、 分担管理原則の例外としてのインカメラ審理の権限が与えられたことは注目されます。 これについては、概説Ⅲ107頁のコラムを参照してください。

 6月13日は、総務省自治行政局行政課理事官(併任:住民制度課)の植田昌也氏にお出で頂き、地方自治法改正案についてお話いただく予定です。
 宇賀克也・地方自治法概説(第4版)(2011年)69頁のコラム、84頁の4、124頁のコラム、183~185頁、214頁のコラム、 239頁のコラム、240頁のコラム、272頁のコラム、317頁(6)を読んで、改正の基本的方向を理解しておいてください。

宇賀克也

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