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国際政治経済

担当教官

樋渡 展洋

科目番号

12100

学期

曜日・時限

月曜2限

単位

内容・進め方・主要文献等

 本講は政治学の一分野としての国際政治経済の視点から、近年の資本移動及び貿易拡大が国際・国内市場を媒介に(1)各国政府にどのような金融・財政政策や産業・労働政策の適応を迫り、(2)そのような国内適応が各国の通貨・金融や貿易・投資政策をどう規定し、その結果(3)通貨・金融や貿易・投資をめぐる国際的・地域的協力関係がどう変容・展開しているかに関する分析枠組と実証研究を講義・議論する。 具体的には、国際貿易や国際金融の実証分析で解明された最近の市場動向を前提に、それが政府の?特に適切な経済運営とそのための政権維持の必要性の両立に迫られた政府の?選択肢をどう制約・規定し、そのような経済政策的要請と国内政治的要請の両立を図ろうとする各国政府の対立・連携・協調の結果、国際・地域経済秩序がどのように展開・変容しているかを考察する。つまり、行動主体としての政府が政策的合理性と政治的妥当性をどう勘案・調整するかの究明が本講の焦点であり実践的含意であるばかりでなく、本講と経済学の国際経済政策科目や法学の国際経済法科目との補完的相違点である。 講義の構成と参考文献の詳細については、初回にシラバスを配布するが、概要は以下を予定している。
I. 序論
II. 理論的前提(1.国際対立の理論、2.国際協力の理論、3.国際・国内政治の連携)
III. 貿易・投資政策の要因(4.経済利害、5.産業・雇用調整、6.政府要請)
IV. 通貨・金融政策の要因(7.経済利害、8.金融制度・市場改革、9.政府要請)
V. 地域・国際秩序(10.自由貿易交渉、11.通貨統合・協力交渉、12.国際機構と遵守)

教材等

教科書は用いない。 参考文献は英文論文を中心にマスターコピーを当方で用意する。参加人数に応じて副読本を作成するか、各自コピーできるようにしたい。

成績評価の方法

平常点および筆記試験。