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事例研究 環境・技術政策

担当教官

城山 英明・鈴木達治郎

科目番号

40070

学期

曜日・時限

水曜5限

単位

内容・進め方・主要文献等

経済社会のグローバル化が進む中、科学技術の進歩も加速化が進んでいる。そのような状況下、技術開発や利用のガバナンスは従来の国を単位とした科学技術政策だけでは難しくなってきている。巨大科学プロジェクトは一国では負担が大きく、国際共同開発が不可欠となり、民間レベルでも国籍を超えた多国籍企業間の技術開発協力も急速に進められている。国の予算が縮小傾向にある中、社会に貢献する技術開発戦略の構築が国際レベルで大きな政策・経営課題となっている。一方、科学技術利用の社会に及ぼす様々なリスク(安全リスク、軍民両用技術等の安全保障リスク等)や影響が大きな社会・政治問題となり、最近ではリスクも国境を越え、一国単位での対応ではリスク防止が困難になってきている。そこで、本事例研究では、国内外の枠を超えて、グローバルな社会におけるあらたな技術開発と利用のガバナンスのあり方を、具体的な事例分析による比較を通じて検討し、各々の事例に関する提言のアウトラインを作成することを目的とする。 事例分析の際の視座としては以下のような観点が例として考えられる。(1)当該技術はいかなる観点から公共政策的関心対象なのか、(2)政府が関与すべき技術開発とはどういう分野なのか、(3)国際協調と国益の対立はどう調整すべきなのか、(4)最先端技術開発のリスクを誰が、いつ、どのように評価し、制御すべきか。 具体的には以下のような順序で進める。(1)最初の2-3回程度、下記のスコルニコフ、フリーマンの文献等を通して、科学技術と国際関係、科学技術と公共政策の関連に関する理論的検討を行う。(2)グループに分かれ、宇宙開発、原子力・核不拡散、バイオテクノロジー・医薬品、コンピューター・通信、温暖化対応(二酸化炭素地中・海中貯留、太陽電池・風力発電等の再生可能エネルギー)等について、基本的資料を収集整理し、上述の観点から分析する。関連して、何人かの実務家の方に来てもらい、講演をお願いする。(3)各分野における特色と課題を全体で横断的に比較分析をすることを通して明らかにし、最終的には各参加者は共同あるいは個人で提言のアウトラインを含んだレポートを提出する。

教材等

主E.B.スコルニコフ『国際政治と科学技術』NTT出版、1995年。C. Freeman and L. Soete, The Economics of Industrial Innovation (3rd), MIT Press, 1997.。その他、追って指示する。

成績評価の方法

平常点及びレポート等による。