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立法学

担当教員

橘 幸信

科目番号

11100

学期

曜日・時限

月曜1限

単位

内容・進め方・主要文献等

 本講義は、我が国における法律(案)の立案及び制定過程の全体像を、実務的な視点から概観しようとするものであり、担当者(橘)は、これを「実践的立法学」と名付けている。しかし、いわゆる「立法学」の内容については、必ずしも確立した共通理解があるわけではない。そこで、受講生の参考までに、本講義の特徴を、他の論者の唱えている「立法学」との比較において挙げてみると----担当者(橘)の実務的な経験(と能力の限界)を背景にして、@政治学的アプローチが支配する「立法過程論」的な観点に終始することなく、法律(学)的な観点を加味している点(後述するように、「議事手続論=議会法」を独立した項目としている点に象徴的に現れている)、A法律案の「立案過程」において検討される(べき)事項について、狭義の「立法技術」にのみならず「政策合理性」や「法的整合性」といった観点からも体系化(マニュアル化)を試みようとしている点----この2点にあると考えている。
 その具体的な講義の概要は次のとおりであるが、講義に当たっては、実際の立案事例を紹介しながら、できるだけ具体的イメージが湧くような説明を心掛けたい。
(序)立法分析論(現代立法の状況と特質)
・我が国における「立法」の推移(近代国家草創期/戦後法制度の再建期/第三の法制改革期など)
・現代における立法の量的・質的な傾向(基本法の増加/特例法の増加など)
(1) 立法過程論(国会提出前の立案過程)
・閣法の立法過程とその特徴/議員立法の立法過程とその特徴
(2) 議事手続論(国会提出後の審議過程)
・議会法の特徴(議会における「先例」の意義など)
・議事手続概論(一般的な手続/特殊な手続)
(3) 法制執務論(法律案の起案マニュアル試論=法制度設計の基礎理論)
・法制執務とは(立法政策を法律案の形に「翻訳」するということ)
・法制執務のチェック・ポイント(政策の合理性/法的整合性/立法技術など)
・法制度設計に関与するスタッフの役割(特に、その「政治性」と「倫理」)
(4) 立法政策論(政策立案に当たっての考慮事項=未定)

教材等

講義の冒頭で『基礎資料集』を配付するとともに、その他の必要な教材についても、の都度、配布する予定である。参考教材については、適宜、講義の中で指定する。

成績評価の方法

原則として、学期末のレポートによる予定である。

関連項目