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比較土地利用法

担当教員

寺尾 美子

科目番号

21060

学期

曜日・時限

金曜5限

単位

内容・進め方・主要文献等

土地は、土地基本法も謳っているように、現在および将来における国民のための限られた貴重な資源であり、人々の生活の基盤をなすものである。土地は、私的所有権の対象とされる一方で、他方においてこうした高度の公共性をもつ財である。また、ある土地の利用は、他の土地の利用のあり方と極めて密接な関係性をもっている。すなわち、土地は、公私の問題、公共性の問題について考えるための好適素材であるといえる。この授業は、こうした認識を大前提としつつ、アメリカを中心とする諸外国との比較を通して、わが国の土地利用法制、土地政策の抱える諸課題について考察することを目的としている。
 わが国の土地利用法制は、他の諸制度と同じように、欧米のそれを範として形成されてきた。しかしながら、現実にわが国において現出することになった土地利用のあり方は、そのモデルとしたはずの諸外国の姿とは相当に異なったものとなっている。この授業では、なぜそうした差異が生じたのか、別な言い方をすれば、わが国土地法制が抱える固有の問題はどこにあるのかを、比較法的考察を通して発見し、近年の地方分権改革がもたらしつつあるパラダイムの転換の中で、そうした問題解決のための道を探ることを課題としている。
前半においては、わが国の土地利用法制・政策について授業を行い、後半はアメリカのそれについての授業を行った上で、比較を通して、わが国の抱える問題を発見するとともに、今後のこの分野におけるあるべき土地法制・土地利用政策のあり方を探る。この授業では、担当者の他に2人講師をお招きし、行政の実務家には、我が国の土地利用法制に関する学習・考察を深めるための基礎知識として、我が国の陸域及び海域の整備、利用及び保全に関する政策体系の概説をお願いするとともに、都市工学研究の専門家に、先進国と比較しつつ、わが国の土地利用計画・規制制度の構成や、都市計画を中心に、その特徴とその抱える問題点について授業して頂く。

教材等

適宜配布する

成績評価の方法

レポート等による。

関連項目