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行政組織法 シラバス

担当教官

太田 匡彦

科目番号

11040

学期

曜日・時限

水曜2限

単位

2

科目概要

 狭義の行政組織および公務員制度について、法的に分析する能力、および法制度を設計する能力を養うことを目的とする。民主主義、権力分立、人権保障といった憲法上の諸原理を、日本の行政組織法はどのように具体化してきたか、また今後どのように具体化していくべきかという問いが、授業の一貫したテーマとなる。具体的には、近年行われた中央省庁等の改革、および現在進行中の特殊法人、行政委託型公益法人、公務員制度等に関する諸改革を取り上げて、それらに係る学説や行政文書などを素材に、講義および討論する方法をとる。
 行政組織法の概説書として、佐藤功『行政組織法』(新版、増補)および藤田宙靖『行政組織法』(新版)[公務員法を含む]を挙げておく。
 なお、行政法という思考に全く触れたことのない学生は、簡単な教科書を読むという形ででもよいから、行政法総論と呼ばれる分野について少しでも自習することを強く勧める。

前提履修科目


成績評価

筆記試験による。

テキスト

塩野宏『行政法 III』(第2版)を予習用の教材とし、大橋洋一・斎藤誠ほか『行政法判例集 総論・組織法』を適宜用いる。

参考文献

講義日程

1. 初回は4月6日に行う。

2. 受講希望者は、塩野宏『行政法 III(第2版)』1〜3、15〜18頁を読んでくること。

3. 特に関心のある受講希望者は、
    ・塩野宏「行政作用法論」(1972年=公法研究34号所収) 同『公法と私法』(1989年)197〜236頁
    ・山本隆司「行政組織における法人」小早川光郎=宇賀克也編『行政法の発展と変革(上)塩野宏志先生古稀記念』(2001年)847〜898頁 を読んでくると、初回講義全体の理解が容易になるだろう。
   なお、山本論文については、授業の後の回において受講者全員に予習を要求する予定である。
あくまで計画に止まり、変更の可能性は存在する。各回の講義において、細目次を配布し、またテキストの予習箇所を指示する。 

4月6日 
  行政組織法の基本原理――法治国原理、民主政原理、権力分立
4月13日 
  行政組織法の基本概念(組織としての行政、行政主体、公法人、行政機関の概念)
4月20日
  行政組織編成権限の所在・行政機関間関係
4月27日
  国家行政組織におけるヒエラルヒー
5月11日
  国家行政組織における合議ならびに調整など
5月18日
  国家行政組織における特別行政主体
5月25日
  国家行政組織と私的組織の間にある組織、自治組織
6月1日
  私人による行政(委任行政)、公私協働
6月8日
  公務員法の基本概念、憲法原理、公務員の種別
6月15日
  人事行政機関、公務員の勤務関係の法的性質
6月22日
  公務員の権利
6月29日
  公務員の義務・責任
7月6日 予備日
7月13日 試験

その他