公法の基層と現代的課題

担当教員

山本 隆司林 知更

配当学期・曜日・時限

夏学期 金曜 2限 

内容・進め方・主要文献等

講義の目的:既存の法制度を評価し、また新たに法制度を構想する際に必要な、公法の基本的な考え方および概念を講義する。重点的にテーマをしぼり、また現実の具体的な諸問題を素材にして、講義を進める。法学未修者と、学部で公法を一通り勉強した学生で、公法の全体を広い視野からもう一度理解し直そうとしている者とを、対象にする。

講義の内容:本年度は、主として以下のような問題を取り上げる。
[1] 憲法と社会秩序――(1)政策と原理、(2)違憲審査制、(3)憲法と法律、(4)家族と憲法、(5)経済と憲法、(6)福祉と憲法、(7)文化と憲法
[2] 行政法総論の基礎――(1)行政法の憲法上の基礎と参照領域、(2)行政法と民事法、(3)マクロの行政手続における法形式・行為形式、(4)ミクロの行政手続、(5)行政裁量、(6)行政情報法

初回(4月6日)は、上記[2](1)をテーマに授業を行う。主要参考文献は、シュミット−アスマン(太田匡彦ほか訳)『行政法理論の基礎と課題』(東京大学出版会)、特に41〜111頁、181〜200頁、376〜382頁。

教材等

教材:高橋和之『立憲主義と日本国憲法』
高橋和之・長谷部恭男・石川健治編『憲法判例百選 I 、II〔第5版〕』
大橋洋一・斎藤誠・山本隆司『行政法判例集 総論・組織法〔第2版〕』
 (以上いずれも有斐閣)

参考文献は、随時指示する。

講義予定

講義予定

5月25日 第1回 政策と原理―憲法の概念と意義
百選:12,183
論点:憲法の概念、国家論、私人間効力(教科書第1章、第2章)

6月1日 第2回 権力分立と違憲審査制
論点:権力分立、司法権、違憲審査制

6月8日 第3回 法秩序の中の憲法/憲法判断の方法
論点:基本権総論、私人間効力、憲法判断の方法

6月15日 第4回 社会秩序と憲法(1):団体、家族と憲法
論点:人権の主体、法の下の平等

6月22日 第5回 社会秩序と憲法(2):経済・社会と憲法
論点:経済的自由権、社会権

6月29日 第6回 社会秩序と憲法(3):文化と憲法
論点:表現の自由、集会の自由、放送の自由

7月6日 第7回 社会秩序と憲法(4):文化と憲法
論点:信教の自由と政教分離、芸術の自由、学問の自由、教育を受ける権利

成績評価の方法

筆記試験とレポートによる。

関連項目