金融政策

担当教員

植田 和男 伊藤 隆敏 加納 隆

配当学期・曜日・時限

冬学期  月曜1限

内容・進め方・主要文献等

 大学院修士レベルの学生を対象にした本講義では、まず金融政策がどのような経済効果を持つのかその実証的な評価方法とその問題点を概説する。その上で近年発展した確率的動学的モデルに基づき、データにおいて観察される金融政策の経済効果を理論的に考察する。その上で望ましい金融政策に関する議論を俯瞰し、近年の金融政策の実際を紹介する。予定される講義内容は以下のとおり。
(1) 学部のマクロ経済学の復習
(2) 数学と統計学の準備
(3) 簡単な確率的動学モデルと合理的期待形成
(4) 金融ショックの経済的効果:構造的VAR
(5) フィリップス曲線と貨幣的景気循環
(6) 名目的な硬直性と実物的な硬直性
(7) 貨幣需要関数
(8) ニューケインジアン・フィリップス曲線
(9) 最適金融政策、テーラールール、インフレターゲッティング・ルール
(10) 金融政策の実際
授業レベルは北米の経済学修士課程のものとほぼ等しい。学部レベルのマクロ経済学とミクロ経済学が履修の前提である。動学的最適化問題、確率的差分方程式、および時系列分析の知識が必要だが、授業中に紹介するので履修の前提ではない。数学等の補講は設けないので注意のこと。

教材等

主要な参考文献は以下のとおり。
Walsh, C. E., Monetary Theory and Policy, second edition, 2003, MIT Press.
Romer, D., Advanced Macroeconomics, 2001, McGraw-Hill.
Obstfeld, M., Rogoff, K., Foundations of International Macroeconomics, 1996, MIT Press.
宮尾龍蔵 「マクロ金融政策の時系列分析」日本経済新聞出版社
確率的差分方程式および時系列分析に関しては
Hamilton, J.D., Time Series Analysis , 1994, Princeton University Press.
山本拓 「経済の時系列分析」創文社
などを参照のこと。また主要な論文は講義中で紹介する。(

成績評価の方法

成績評価は中間試験および期末試験に基づいて行う予定。

関連項目