在学生用掲示板

2012-04-20

【授業】金曜2限「政策決定・行政統制論」の履修者へ

宇賀克也教授からの連絡事項です。

 4月20日の授業で現在継続審査中の国家公務員法改正案についてお話がありました。 人事院は現在唯一の「内閣の所轄」の機関であり、公務員行政の公正中立性の確保が、 すべての行政の基本(辻先生のいう「基盤行政」)であることから、一般の行政委員会よりも一層高い内閣補助部局としての地位と、 他の行政委員会にはない高度の独立性が認められています(行政法概説Ⅲ(第2版)128~129頁参照)。 現在継続審査中の国家公務員法改正案では人事院は廃止され、公務員庁と人事公正委員会が内閣府の外局として設けられることになります。 庁と委員会という外局については、行政法概説Ⅲ(第2版)172頁以下で説明したとおり、独立性という点では低下することになります。 人事公正委員会も最高行政機関である内閣の所轄ではなく、 各省と横並びの分担管理事務を担う内閣府(内閣府が各省より一段高い立場で内閣補助事務を行う場合と、 省と横並びで分担管理事務を担う二重の性質を有することは行政法概説Ⅲ(第2版)133頁参照)の長としての「内閣総理大臣の所轄」の機関となります。 公正取引委員会と同格の機関になるといえます。
 ご質問のあった公務員の評価はむずかしい問題ですが、これについては、「標準職務遂行能力」が定められ、 これと適性を昇任または転任の判断基準としています(行政法概説Ⅲ(第2版)320頁参照)。

 4月27日は、総務省自治行政局行政課長の山崎重孝氏にお出でいただき、 今国会に提出されている地方自治法改正案、昨年成立した原発避難者特例法、最近「大阪都構想」等で話題となっている大都市制度等についてお話いただく予定です。 地方自治法概説(第4版)の47頁(2)「都」、59~65頁(特別区)、214頁・239頁・240頁のColumn、317頁(6)の国等による違法確認訴訟制度の箇所を読んでおいてください。

宇賀克也

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