在学生用掲示板

2011-04-25

【授業】月曜3限「行政法の現代的諸問題」の履修者へ

宇賀克也先生からの連絡事項です。

 外務省大臣官房総務課外交記録・情報公開室長の小林麻紀氏のお話に出てきました外交史料館は、 外務省の内部部局(行政法概説Ⅲ166頁)である大臣官房総務課の施設です。
一般には、歴史的価値のある文書の保存期間が満了すると、国とは独立の法人格を持った 独立行政法人国立公文書館に移管義務が生じるのですが、外務省の歴史的価値のある文書の保存期間が満了した場合には、 従前から国立公文書館ではなく外交史料館への移管とされてきましたし、公文書管理法施行令でも、従前同様、 外交史料館への移管が認められています。 行政文書の保存期間が満了した後、国立公文書館以外の施設への移管が認められたもう1つの例外が、宮内庁の歴史的文書です。 その保存期間が満了すると、国立公文書館ではなく、宮内公文書館に移管されます。 宮内公文書館は、宮内庁の内部部局である書陵部図書課の施設です。公文書管理法15条1項に「国立公文書館等の長」についての定義が置かれ、 「国立公文書館等が行政機関の施設である場合にあってはその属する行政機関の長」とされています。 外交史料館、宮内公文書館は、「国立公文書館等」の「等」で念頭に置かれています。 外交史料館、宮内公文書館は、それぞれ、外務省、宮内庁という行政機関の施設ですから、外交史料館の「国立公文書館等の長」は外務大臣、 宮内公文書館の場合の「国立公文書館等の長」は宮内庁長官になります。

 5月2日は、東日本大震災への法的対応という現下の重要な問題を取り扱います。
「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」について、 総務省行政管理局管理官の植山克郎氏にお出で頂き、お話いただきます。この法律は、関東大震災、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、 臨時法の恒久法化として立法化されたものです。中越地震や、今回の東日本大震災に、 どのように適用されたのか等について、お話いただきます。宇賀克也・行政法概説Ⅰ[第4版]20~21頁のコラムを読んでおいてください。
時間のある方は、大森政輔「「特定非常災害特別措置法」大森政輔=鎌田薫編・立法学講義[補遺](商事法務、2011年)300頁以下を読んでおくとよいでしょう。

 なお、次回から出席をとります。

宇賀克也

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