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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

学生レポート

学生レポート

日韓のセンシティブな問題に対して冷静に議論できる場がここにある。

福島 有毅

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私はソウル大学校国際大学院に留学し、授業を4つ取っています。

1つ目は “Global Business Strategy”という授業でマイケルポーターのビジネスモデルを学ぶ授業です。MBAの学生もいてかなり白熱した授業です。2つ目は “ Research Project 3, International Area Studies”というクラスで、社会科学系の論文をたくさん読み、論文を書く授業です。論文の量が多いですが、かなり英語での批判力がつくので非常に良い授業だと思います。3つ目は “Trade Law” という授業でWTOとかFTAについて学びます。4つ目が “Understanding Contemporary Korea-Japan relation” という日韓関係の授業で、日韓の間に横たわるさまざまな問題に対して冷静な議論ができる授業です。

4つとも非常に面白いですが、ここでは4つ目の日韓関係の授業について説明したいと思います。担当の教授は日韓関係の韓国側のプロともいえる人で、日韓の政財界に多くの繋がりがあり面白い裏話をしてくれます。この授業で扱うテーマは、慰安婦問題、竹島/独島問題、日韓請求権問題、靖国問題などなど、普通では韓国の方には聞けない問題で、この授業の素晴らしいところはこういったセンシティブな問題を冷静に議論できることです。例えば、私は請求権関係の授業で教授から意見を求められ、非常に当惑しました。なぜなら、その場合において韓国側は日本に請求権は認められないと考えており、それを発言することで韓国の生徒は不快に感じると思ったからです。私はその場をなんとかはぐらかそう(非常に日本人的ですね)としたのですが、最終的に自分の意見を率直に述べました。私は周りの反応が非常に怖かったのですが、予想に反し教授は私の意見と同じような意見をもっており周囲の生徒も教授の意見に同意し、私は友人を失わなくてすみました。

この事例が必ずしも、多くの韓国人が日本人と日韓関係について冷静に議論できるということを意味しません。ただ、この大学院には日韓関係のあらゆる問題に関して韓国人と冷静に議論をすることができる場所があります。それだけでも、この時期にこの大学に来ることができたことに大きな意味があると私は感じています。現在のような最悪な日韓関係の中だからこそ、日韓関係について韓国の方と学ぶ事は大きな価値があると思います。今年8月の一連の事件で東アジア関係に興味を持った方にはソウル大学校国際大学院への留学を強くお勧めします。