在学生用掲示板

2012-05-25

【授業】金曜2限「政策決定・行政統制論」の履修者へ

宇賀克也教授からの連絡事項です。

 6月1日は、消費者庁課長補佐の白石氏にお出で頂き、今国会に提出されている消費者安全法改正案についてお話いただく予定です。
白石氏は、この改正案の取りまとめに尽力された方です。この改正案の一つの柱が、「消費者安全調査委員会」の設置です。消費者が事故にあった場合、 他に十分な調査機関が存在しない場合、「消費者安全調査委員会」が中立的・専門的立場から事故原因の調査を行います。消費者庁の附属機関ですが、 立入調査権限もあります。また、他の調査関連機関が行った調査の評価も行うことができますし、被害者からの事故調査の申出制度も整備されます。
附属機関については、行政法概説Ⅲ(第2版)の10章を読んでおいてください。

 消費者安全法改正案のもう一つの柱が、消費者の財産被害に係るすき間事案について、内閣総理大臣による勧告、命令等の行政措置を設けることです。
消費者安全法は、縦割りの規制権限のすき間に落ちてしまい、規制ができない「すき間事案」(食品衛生法で規制できないこんにゃくゼリー事故等)であって、 生命・身体に係る事案について内閣総理大臣の規制権限を導入した点で、 実際上も理論上も画期的な意味を持っています(宇賀克也「消費者庁関連3法の行政法上の意義と課題」ジュリスト1382号19頁以下参照。時間の余裕のない人は31~34頁のみ参照)。 消費者安全法改正案は、消費者の財産被害に係る「すき間事案」にも、行政措置を導入しようとするものです。

宇賀克也

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