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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

Student Reports

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1人の日本人としてできること

Chisato Nakao

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私のキャンパスアジアコースに参加する1番の目的でもあり楽しみは「留学」でした。学部でのアメリカの大学への1年間の交換留学を通し、自らの視野の狭さを痛感しました。以来、現地で学び、現地の視点を知ってこそ初めて、客観的に物事を捉まえ、他人に発信することができると考えるようになりました。北京大学での5ヶ月の留学では、学業、課外活動、そして新たな友人との出会いを通して様々なことを吸収できたと感じています。

北京大学において、キャンパスアジア生は国際関係学院(SIS)に所属します。SISの授業は、中国語で開講される講義と英語で開講される講義の2つに分かれています。私のように中国語で授業を履修する言語レベルのない者は英語で開講される講義を履修します。そのため、英語で開講される授業は主に留学生によって構成されています。ここでは多岐に渡るバックグラウンドやモチベーションを持つ他学生と講義内外で関わる機会に恵まれます。2年間をSISで学ぶ学生を始めとし、SISに1年間、残りの1年間をロンドン・スクール・オブ・エコノミクスやパリ政治学院で学びダブルディグリーを取得する学生もいます。私は数人の他留学生ととても仲良くなり、観光や旅行等にも一緒に行きました。ですが、中国人の学生は中国語で開講される講義を履修するため、中国人の学生との接点はなかなかありません。(中国語が流暢な学生は中国語での授業も並行して履修することをお勧めします。)私は幸運にも講義外で中国語プログラム学生と触れあう機会に恵まれました。友人に紹介してもらい、中国語講義の学生が主導しているバトミントンサークルに参加し、学部別対抗試合に出場しました。私が所属していたチームは国際政治学部だったこともあり、中国人だけでなく、台湾人、香港人、韓国人、タイ人、そして日本人の私といった様々なバックグラウンドを持った学生でチームが構成されていました。中国ではバトミントンと卓球が国民スポーツとして老若男女がプレイしています。例え講義が履修できなくても、スポーツは現地の学生と仲良くなる突破口になると思います。

誤解や認知の相違が関係改善の弊害となっている日中韓の関係では、個々人が相手の視点を学ぶことが関係改善の第一歩になると考えています。私自身、中国人や韓国人と仲良くなり議論を繰り返す中で、彼らの視点を学び、知らなかった一面も知ることができました。中国人は押しが強いと思われがちですが、仲良くなると面倒見がとてもよく、自分も彼らの仲間のように扱ってくれます。北京のタクシーでモノを紛失した際、夜中遅くまでタクシー会社と交渉の電話をしてくれたのは中国人の友人でした。韓国人は「정 (情)」といって、自分のものを他人に惜しむことなく分けてくれます。韓国人の友人はいつも授業中にお菓子を分けてくれ、外出時に良いものや美味しいものがあれば私の分まで買って来てくれました。そのような暖かさや心遣いに心打たれることが多く、私がしてあげられることは何なのだろうと考えさせられることも多くありました。

いよいよ修了の時が近づき、4月からは社会に出ることとなります。直接的に3ヶ国の関係改善には携われないかもしれないですが、キャンパスアジアコースの2年間で学んだ貴重な視点や考え方を日々の生き方に活かし、時にはそれを発信することで社会に還元していければと思います。

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他留学生との旅行
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バトミントンサークルに入り学部別対抗試合に出場