在学生用掲示板

2011-05-16

【授業】月曜3限「行政法の現代的諸問題」の履修者へ

宇賀克也先生からの連絡事項です。

5月14日の授業で、営造物公園と地域制公園が話題になりましたが、行政法概説Ⅲ(第2版)437~439頁の公園の箇所を読んでおいてください。  公園・緑地に関する施策体系のスライド(レジュメ)6で「法定外公共物」という用語が使われていますが、行政法概説Ⅲ(第2版)に書かれているように、 都市公園法という公物管理法が適用されていないという意味で、広義の「法定外公共物」は、現存します。これに対し、道路法が適用されない里道(認定外道路)、 河川法が適用されない水路(普通河川)、海岸法が適用されない海浜地のような狭義の法定外公共物については、地方分権改革により整理されることになりました。 これについては、行政法概説Ⅲ(第2版)431~437頁を参照してください。公物の使用関係は、自由使用(一般使用)、許可使用、特許使用に大別されます。 公園については、公園を散策するように、他人の使用を妨げず、本来の目的で使用する場合には、許可がいらない自由使用(一般使用)になります。 スライド(レジュメ)18の集会のための一時的使用の場合には、都市公園の管理の適正を図るために許可が必要であり、許可使用になります。 スライド(レジュメ)17に書かれているように、都市公園の一部を継続的に占用する場合、たとえば、NTTが公衆電話を設置するような場合には、 特許使用になります。行政法概説Ⅲ(第2版)464~468頁を参照してください。スライド(レジュメ)19に書かれている立体都市公園のように、 公物管理権の範囲について、立体的な制限をする制度は、他の公物にもあります。立体道路、立体河川、立体都市公園について、行政法概説Ⅲ(第2版)455~457頁を参照してください。
5月16日の授業で、匿名データの使用については、識別性を除く必要があることが話題になりました。この問題は、情報公開法に基づく開示請求で、とりわけ、 個人識別性を除く場合、他の情報との照合により個人が識別されるかというモザイク・アプローチの問題と共通します。 行政法概説Ⅰ(第4版)185頁を参照してください。 また、北田理事から、被調査者の負担の軽減のための行政記録情報の活用の話しがありましたが、これについては、アメリカでは、 ペーパーワーク削減法が1980年に成立しています。これらの点については、行政法概説Ⅰ(第4版)166~167頁を参照してください。
5月23日は、国家公務員制度改革推進本部の笹島氏にお出で頂き、国家公務制度改革についてお話いただく予定です。 公務員への協約締結権の付与、人事院の廃止と公務員庁、人事公正委員会の設置等の大改革の立案の経緯、内容等について お話いただきます。行政法概説Ⅲ(第2版)第2編第1章8の国家公務員法改正の経緯、第3章6の労働基本権の箇所を予習しておいてください。 時間のある方は、ジュリスト1355号の公務員制度改革の特集に目を通しておくとよいでしょう。

宇賀克也

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