在学生用掲示板

2012-06-01

【授業】金曜2限「政策決定・行政統制論」の履修者へ

宇賀克也教授からの連絡事項です。

 消費者庁の白石氏のお話に「3条機関」いう言葉が出てきましたが、その意味については、行政法概説Ⅲ(第2版)の15頁、152頁に説明があります。 これに対し、消費者安全調査委員会は「8条機関」として位置づけられていますが、行政法概説Ⅲ(第2版)192頁の審議会等がこれに当たります。
 運輸安全委員会が「3条機関」としての行政委員会であり、消費者安全調査委員会が「8条機関」としての審議会等であるという相違がありますが、 行政委員会と審議会等との差異については、行政法概説Ⅲ(第2版)198~199頁で説明しています。
 消費者安全調査委員会のような事故調査機関については、ジュリスト1432号の「事故調査の新局面」に、 「事故調査機関の在り方に関する検討会」委員であった宇賀、曽和、笹倉の論文が掲載されていますので、関心のある方は参照してください。 事故調査と犯罪捜査の関係については、同号と次号で笹倉論文が詳しく論じています。

 6月8日は、内閣府公文書管理課の植草氏にお出で頂き、公文書管理法を中心とした公文書管理の諸問題についてお話いただく予定です。 2007年に「消えた年金記録」、海上自衛隊補給艦「とわだ」の航海日誌の保存期間満了前の廃棄、防衛省の装備審査会会議の議事録の未作成、 C型肝炎関連資料の放置等、公文書管理の不適切事例が相次ぎ、公文書管理についての国民の関心が高まる中、2009年に公文書管理法が制定され、 2011年4月1日に全面施行されました。しかし、東日本大震災を受けて設けられた対策本部等で議事録が作成されていなかった問題が発覚し、 現在及び将来の国民への説明責任を果たすため、「経緯も含めた意思決定に至る過程…を合理的に跡付け」ることができるように公文書作成義務を課した 公文書管理法の趣旨に照らし、議論のあったところです。植草氏には、そのような問題を含めてお話いただく予定です。 地方公共団体においても公文書管理条例の制定が進んでいますが、それについては、 宇賀克也『逐条解説 公文書等の管理に関する法律(改訂版)』(第一法規、2011年)第5章を参照してください。

宇賀克也

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