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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

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教育こそが未来への投資だと位置づけられる社会を作る

ニュウェル(坪井)郁子 (from Japan)

子供の教育に携わり36年 

―教育分野で様々なことを手掛けてこられていますね。

学校運営と英語による学童教育など、36年にわたって子供の教育に携わってきました。自ら教育プログラムを作って、1985年に「イングリッシュスタジオ」を立ち上げました。その後、出産し、子供を自分の手で教育したいと思い、その成長に合わせて幼稚園、小学校、中学校を順番に作って、学校法人東京インターナショナルスクールになりました。現在は約70カ国の日本国籍以外の子供たちが通っています。
学校運営を通じて学習障害や発達障害という個性を持つ子供たちと出会い、それを機に2000年にはNPO法人東京インターナショナルプログレッシブスクールを設立しました。
学校法人とNPOの理事長、会社の代表取締役、そして母親業と何足かのわらじを履きながら、子育てが一段落した2011年頃から社会活動に取り組み始めました。

政策に関わった者として責任を強く感じて勉強を決意 

―GraSPPへの入学を考えたきっかけは?

内閣官房の教育再生実行会議の第九次提言策定に有識者として携わった際、議論の論点の1つになったのが、教育に経済学的視点を入れるべき、つまりコストパフォーマンスを考えるべきだという話でした。でも私はこの考え方に強い違和感を感じたんです。ただ、政策について知識のない自分が批判だけするのは何か違うと考え、学びへの思いが芽生えました。
その後の第11次提言で、全ての小中学校で1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するという「GIGAスクール構想」に対して、2019年末に2000億円以上の予算がついたんです。さらにコロナ禍で増額と計画の前倒しも決まりました。多額の血税を使う政策に関わった以上、自分も勉強すべきだと責任を強く感じて、決心してGraSPPの門を叩きました。

―学校生活はいかがですか?

還暦を過ぎてからの学生生活は慣れないことばかりで、デジタル文化と学生文化に四苦八苦しています。シラバスが出た時に数カ月分の仕事の予定は最大限調整しました。ただ、実際に授業が始まってみると、急な授業変更が結構多くて…。それに対しての解決法はまだ見い出せていないですね。時々「やはり無謀だったか…」と落ち込むこともありますが、学ぶ機会を頂けたことに本当に感謝しているので、先生方や皆さんに協力いただきながら頑張っています。自分に合うペース配分を模索しながら、今は学業優先で、勉強時間も先にスケジュール入れて、漏れが出てないように工夫しながらやっています。

教育は未来に対する一番の投資

教育によって子供は変わることができます。教育には未来を変える力があると、36年やってきて感じています。日本の財政は債務超過で厳しい状態なのは分かりますが、でも教育は未来に対する一番の投資だと、私は思っています。教育をコストパフォーマンスだけで考える方向性や政策に対して、理論的に意見を言えるようになりたいですね。

色々な人がいて、色々な考えがあるので、まずは受容することです。ただ、受容はするけど、自分の軸は曲げないことが大切です。私の軸は「人としてよく生きること」。お天道様に顔向けできないようなことはしないし言わない。あと、約束したことは最後まで責任を持ってやるという生き方です。自分の軸を曲げなければ、あとは皆それぞれですからね。社会をより良くしていく、平和にしていくというゴールに向けて、多様性を乗り越えながら、どうすれば一番うまく回っていくのかというところなのではないでしょうか。

人は皆それぞれ違っていて、それぞれ輝くものを持っています。それを見つけ、引き出し、育てるのが教育だというのは、ギリシャ時代から変わりません。誰もが輝く社会の創造のためには、教育こそが未来への投資だと位置づけられる社会を作れるように、少しでも貢献していきたいと思っています。