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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

院長メッセージ

2024年4月

少子高齢化の急激な進行、地球温暖化、技術の急速な進歩、経済活動のグローバル化、安全保障環境の変化など、私たちが向き合わなければいけない公共政策上の課題が山積しています。いつの時代でも、その時々の難題があるわけですが、課題の複雑性が増すと同時に課題解決のための方法も進歩してきました。そのため、公共政策を担う人材に求められる知識とスキルの幅が広がり高度化しています。同時に人工知能の発達によって、狭い範囲に限定された問いに答えをあたる能力は価値を減じ、代わって課題に対して適切な問いを立て適切な答えを導き出す能力が重要になっています。
また、かつては公共政策を担う人材は、官庁や自治体の行政官が中心でしたが、現在では民間企業や非営利法人の存在を抜きにして公共政策上の課題を解決することは不可能です。取り組む問題が複雑になり、様々なアクターが公共政策上の課題に取り組むようになる中、他者と協力しながら問題解決に取り組める能力が重要になっています。このような公共政策を担う人材に必要とされる幅広い知識やリーダーシップを2年間で集中的に身に着けることで幅広い場で活躍する素地を作れる場が公共政策大学院です。

 公共政策大学院には法政策、公共管理、国際公共政策、経済政策、国際プログラムコースの5つのコースがあります。それぞれのコースは、授業科目は異なるものの、公共政策のプロフェッショナルとしての政策形成能力と、組織の中での立場に応じたリーダーシップを発揮できる人材を育成しようという目標は共通しています。この目標を達成するため、法学・政治学・国際関係論・経済学をベースに、一つの学問分野では解決できないような課題に取り組めるよう世界クラスの研究者や第一線の実務家教員による授業が体系的に提供されています。
また、多くの利害関係者を説得し、のぞましい政策を実行していくためには適切なエビデンスを提示することが不可欠です。そのために必要なデータ分析の知識を持った人材を育成するために、データ分析系の授業が充実しているのも公共政策大学院の特徴です。くわえて、政策実現に必要な交渉・リーダーシップ等のソフトスキルを養成するための科目を提供しているのも公共政策大学院ならではの特徴です。

それぞれのコースへの入学者の学部時代の専門分野は多様で、実務経験を持つ社会人学生も積極的に受け入れています。多様なバックグラウンドを持った大学院生に対応するため、基礎的な内容から始まり高度な内容に至るまでが2年間で習得できるようにカリキュラムは工夫されています。この特徴を活かして、公共政策大学院に進学することで、学部時代とは違う分野を専攻し、キャリアの方向性を変えることもできます。例えば、学部時代には外国の歴史を学び、国際公共政策コースに進学し、外交にかかわるキャリアを歩むといったことが考えられます。あるいは、学部時代には工学を学び、経済政策コースに進学し経済政策にかかわるキャリアを歩むことも考えられます。

 国際性も公共政策大学院の魅力です。1学年が135名の比較的小さな世帯ですが、その約半数が留学生でその出身国は約30か国に及んでいます。このような多様な国籍を持った学生に対応するため、授業の約半数は英語で提供されています。また、東京大学はコロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、パリ政治学院(Sciences Po)、シンガポール国立大学リー・クワンユー公共政策大学院(LKY-NUS)など海外の主要な公共政策大学院が参加するGlobal Public Policy Network(GPPN) に加盟している日本で唯一の大学院です。GPPN加盟校を含む9校との間ではダブルディグリープログラムを行っています。さらに北京大学、ソウル大学、シンガポール国立大学とのダブルディグリーや交換留学によって東アジアの公共政策と国際関係を学ぶキャンパスアジア・プログラムも行っています。ダブルディグリープログラムに参加すれば、2年から2年半の期間で留学先大学と東京大学から修士号を得ることができます。2023年度には13名の学生を送り出し19名の学生を受け入れました。提携校に交換留学に出ることも盛んにおこなわれており、2023年度には7名を送り出し、16名を受け入れました。この場合も単位認定制度を活用することで、海外の大学で学びつつ2年間のうちに公共政策大学院を修了することができます。

 政策の立案、評価、実施に必要な知識やスキルはますます高度化し、博士人材の活躍の機会も広がっています。この社会的要請にこたえるため公共政策大学院には博士課程も設置されています。博士課程は、法学、政治学、経済学における高度な研究能力に加え、学際的能力と国際的実務能力を持つ高度な博士人材を養成することを目的とし、国際開発・国際金融、安全保障、科学技術政策の分野において世界の公共政策をリードする人材を輩出しています。同時に、実務の最前線の課題をもとに、各学問分野の研究を深め、新たな学問分野の開拓につなげることができる研究者を育てています。

 公共政策大学院は、リーダーとして国際的に活躍できる人材を育成すること、実務の第一線における課題に対して解決策を提示する国際水準の学術研究を推し進めることを通じて公共政策の改善に貢献します。この目標に共感してくださる方々の公共政策大学院への進学をお待ちしています。

東京大学公共政策大学院
院長
川口 大司