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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

GraSPPers Voice

理系×公共政策―GraSPPで思考の基礎体力をつける

濱洲大輔 (from Japan)

GraSPPに進学したきっかけについて教えてください。

私は工学部の土木科を出た後に薬学部に入学し、卒業後、熊本県庁に入庁しました。いろいろな仕事をしていく中で様々な課題に直面し、自分なりの判断根拠を考えて、決裁権者に説明をして政策を進めていくという中で、自分の思考空間の広さが、それに対して十分なのか、また、提示しているものがしっかりしたものなのだろうかと、普段から確信を持てずにいました。その中で偶然、GraSPPへの派遣の職場内公募があり、応募させていただきました。

もともと、どこかで学び直したいという思いはあったのですが、当時結婚もしており、例えば大学院で学ぶとなると、二年間仕事を休んで、学費も発生するので、なかなかハードルが高い中で、ちょうど大きなチャンスに恵まれました。

GraSPPは社会人学生も多く、私以外にも、様々な官公庁から来られている方もいて、刺激が多かったです。

受講した授業の中で印象深い授業などはありましたか?

色々な授業を取らせていただいて、それぞれ非常に面白かったんですが、その中でも思い出に残っている授業は、シナリオプランニングという授業でした。シナリオプランニングは、様々な事実を調べ上げて関係性を分析し、 分析した結果から、未来がどうなっていくのか、様々なシナリオを描いていくような手法です。「公共政策」は実務に関連する分野が非常に多岐にわたっていて、色々な要素が絡み合っています。

様々な与件や情報を自分なりにどのように読み取って、どう組み立てていくのかといった、思考の基礎体力のようなものを身につけたいという思いでGraSPPに進学したので、一番学びたかったことに合致していたと思います。

大学院で学んだ内容と、理系の内容が合わさって、現在キャリアにどう活かされているのでしょうか。

GraSPPを卒業した後、県の企画部門に配属になりました。色々な情報が流れてくる中で、GraSPPで様々な話題をインプットしていたおかげで、様々な情報のつながりができた点が非常に役立ったと思っています。

また、地方自治体で実務に近いところにいると、なかなか国の動きにじっくり目を向ける時間がない部分もあるのですが、GraSPPは国家公務員の先生も多く在籍されており、霞が関の政策課程についても多く学ぶことができ、理解が深まりました。

理系とのつながりについては、論理的・包括的な考え方であったり、考える姿勢という点において、役に立っています。それが自分の行動や思考の根拠になっていて、非常に大きな力になっているように感じています。

学生へのメッセージをお願いします。

社会人になって大分たってから入学した身としてお話しすると、社会人になって仕事をはじめると、自分なりに明確な目的意識というものを持つようになります。社会人になってから学ぶことには、そのような目的意識に沿って学ぶことができるという良さがあると思います。そのため、私自身も実際学部にいた時とGraSPPで学んだ時とは、学習のモチベーションは全然違い、身についたものも全然違ったように感じています。ですので、社会人になってからでも決して遅くはなく、むしろ社会人になってから大学院に進学ことにも非常に意味があると思います。ぜひ社会人の方もGraSPPには学べるものがきっとありますので、ご興味があれば、是非前向きにご検討いただければ幸いです。

 

 

※本記事は、2024年5月18日に開催した公共政策トーク「理系×公共政策」の登壇内容に基づき編集しております。