―GraSPPに入学された経緯を教えて下さい。
私は日本経済新聞社で記者の仕事を20年ほどしていますが、業界を取り巻く環境はこの10年で激変しました。基本的なニュースはインターネットで届くようになり、新聞にはより深掘りした記事が求められるようになっています。その結果、私たちの仕事が純粋なニュース探しから、読者に対する「視点」の提供へと移ってきました。世界で日々起こる出来事を見極めるには、それなりの知識や情報量が求められるのは言うまでもありません。取材で養われるのとは違った種類の考え方や分析力を養いたいと考えていたところ、上司がGraSPPのことを勧めてくれたこともあり受験しました。
―学校生活はいかがですか?
さあいよいよ入学だ、と思ったころに起きたのが新型コロナウイルスの感染拡大です。一斉休校や緊急事態が立て続けに宣言される異常な時期に学生生活をスタートしました。春学期の授業はすべてオンラインで、最初は不慣れだったZoomの使い方に苦労しましたね(汗)。他の有名大学がいつからどういう形で授業するか逡巡していた2020年春にさっと全面オンラインを決めた決断の素早さには感心しました。ようやく秋学期にゼミ形式の授業が1講義だけ対面開催が可能ということになり、実際にキャンパスに行くことができました。授業の前後に構内を散歩すると、やっぱりキャンパスはいいなと改めて感じます。
―在学中にどんなことにチャレンジしたいですか?
仲間と集まって飲みにいくのが大好きですので、早く学友のみなさんと乾杯したいですね。オンラインではありますが、授業中でのやりとりなどで接していても熱心でユニークで魅力的な方が多いと感じます。外国からGraSPPに留学された方々の話もぜひ聞いてみたいです。世代も国籍もさまざまな学生が在籍しているのがGraSPPの非常に良いところだと感じます。記者の業務ではなかなか出会えない人たちだと思うので、コロナ禍が収まった暁にはじっくり飲み交わしたいです。お付き合いください!
―GraSPPでの経験を今後どのように生かしていきたいですか?
ややつまらない答えですが、質の高い、良い記事を書くことに尽きるのだと思います。明日も良い記事を書きたいし、1年後にはもっと良い記事を書きたい、5年後にはもっともっと良い記事を書きたいです。きっとGraSPPでの学びはそのための糧になるのだと信じています。GraSPPで学ぶことで新しい知識や見識を身につけるのはもちろんですが、自分が知らないことに日々接することで自分の無知を思い知る効用もあると感じます。そんな刺激を受けることを含めて、とても貴重な経験をさせてもらっています。
(ニュースレター61号より。インタビュー・文責 編集担当)