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東京大学公共政策大学院 | GraSPP / Graduate School of Public Policy | The university of Tokyo

院長メッセージ Dean's Message

2018年4月

冷戦終了からほぼ30年が経った今日、私たちは再び世界史の新たな局面に突入した感があります。グローバル化や地域統合を否定し、逆転させるような動きや、大国による国際法の無視と実力による現状変更が起きています。日本では少子高齢化と東京への一極集中が進んで「地方消滅」が警告される中で、安全保障環境の悪化への対応が問われています。こうした状況下で、通信技術や人工知能が飛躍的な発展を遂げ、生活を便利にするとともに情報統制をも容易にしています。私たちはかつて経験したことのない、多くの挑戦に直面しているのです。

2004年4月の設立以来、GraSPPは法学、政治学、経済学をバランスよく学ぶ学際的な教育と、国際機関や官公庁出身の実務家教員による実践的な教育を実施し、広く公共政策に携わる政策プロフェッショナルの養成に努めて参りました。今日、私たちの役割は益々大きくなっていると考えます。

GraSPPの第一の特徴は国際化の積極的な推進です。2010年度からは英語のみで修士号が取れる国際プログラム(MPP/IP)を設置しましたが、それに参加する日本人学生も増えています。今や日本人と外国人の比率はほぼ半々で、授業の約45%を英語で提供しています。かつ留学機会は豊富で、コロンビア大学、パリ政治学院、LSEなどを始めとする世界トップクラスの大学13校と学生交流協定を結んでいますが、その内8校とは、東京大学と留学先の両方の学位が取れるダブル・ディグリー制を実施しています。その他にも国際経験を積むチャンスは多く、私が学生だったら是非参加したいと思うのは、北京大学国際関係学院、ソウル大学校国際大学院とダブル・ディグリーやジョイントコースを実施しているCAMPUS Asiaプログラムです。

こうした様々なプログラムのおかげで、約30の国々から学生が来ています。その多くはアジア各国の中央銀行や財務省、外務省などの官庁、マスメディア、法曹界、金融機関などでの勤務経験者で、留学生には英語環境でのインターンの機会を紹介しています。GraSPP修了生は既に1200人を超え、その出身国の数は約50に及んでいますが、これからは修了生とのネットワーキングを一層強化して参ります。
2016年度からは博士後期課程を開始しました。政策の立案、評価、実施に必要な知識やスキルが高度化、複雑化している現在、特に国際機関や国際交渉の場においては博士号が必須の時代を迎えつつあります。専攻における高度な研究能力に加え、学際的な能力と実務能力を兼備し、国際金融・開発及び国際安全保障の分野において世界の公共政策をリードする人材を養成することが狙いです。

GraSPPのもう一つの特徴は、様々な外部資金等を導入し、実務と最先端の研究教育との連携を図ってきたことです。現在は、科学技術イノベーション、海洋、人材政策、医療政策、エネルギー・環境、資本市場等の分野で研究プロジェクトを設け、研究の成果を社会に広く還元しています。また、現実と結びつく実践型の研究教育の一環として、全学の部局横断型プログラムで主動的な役割を果たしています。さらには、費用対効果評価の制度化に向けて国内の人材不足が問題となっている中で、2017年度から医療技術評価のエグゼクティブプログラム(社会人講座)を始めました。

2017年には国際学術総合研究棟が竣工し、研究、修学環境が抜本的に改善されました。学生諸君は恵まれた条件を活かし、一流の政策のプロを目指して自分を鍛えてほしいと思います。各界の皆様には引き続きのご支援とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

東京大学公共政策大学院 院長
高原明生