3年前に中医協により試行的に導入された医薬品・医療機器の費用対効果評価に基づく価格調整の方策が、本年4月より制度化されるに至った。一方、昨年来財務省は、経済評価を価格調整だけでなく保険適用の可否判断に使うべきとの考え方に立ち、保険収載が見送られる医薬品に対応する新たな保険外併用療養費制度など、さらなる改革を提案している。
そこで、本シンポジウムでは、そのような2省の考え方の違いをふまえて、医療技術評価の制度化の意義と論点について考える。
まず午前のセッションでは、海外より2名の専門家をお招きし、英国をはじめとする海外の医療技術評価の最新事情を知り、価格調整か適用判断かの異なる論点がどのように展開されているかを学ぶ。午後のセッションでは、厚労省の見解を迫井審議官から、また、財務省側の主張を踏まえた見解を公共経済学が専門の小黒教授から解説していただく。さらに総合討論では、各専門家の講演を受けての討議を通して、制度化後のビジョンや方向性を中心に、今後の医療制度改革の課題について理解を深める。
日時:2019年12月3日(火)10:55-14:45
会場:福武ホール 福武ラーニングシアター (地図)
主催:東京大学公共政策大学院 医療政策・技術評価研究ユニット
共催:キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)
後援:武蔵野大学国際総合研究所
同時通訳あり。参加費無料。事前登録はこちらからお願いします。 登録
プログラム:
10:55-11:00 開会挨拶 高原明生 公共政策大学院長
11:00-11:10 背景と論点 公共政策大学院特任教授 鎌江伊三夫
11:10-11:40 講演1: 講演1: Health Technology Assessment: can Japan learn from England’s successes and mistakes?
Kalipso Chalkidou インペリアル・カレッジ・ロンドン 教授
11:40-12:10 講演2: International HTA Perspectives
Kevin Haninger, Vice President, International Advocacy, Pharmaceutical Research and Manufacturers of America (PhRMA)
12:10-12:50 休憩
12:50-13:15 講演3: 費用対効果評価‐制度化の背景と課題‐
迫井正深 厚生労働省 大臣官房審議官
13:15-13:40 講演4: 医療保険財政を巡る現状と課題
小黒一正 法政大学教授、CIGS主任研究員
13:40-14:40 総合討論「新制度の展開に必要な今後のビジョンは?」
司会 公共政策大学院教授 城山英明
討論者 上記講演者
14:40-14:45 閉会挨拶 福井俊彦 キヤノングローバル戦略研究所理事長